迅速な初動対応を可能にする防災訓練とは?④
[課題3]取引先の被災と状況把握

2022.03.25防災訓練特集
事業継続力強化計画(ジギョケイ)実践講座 ~防災訓練編~

本動画では、5回シリーズの記事をまとめてご紹介しております。
ぜひ記事と合わせてご覧いただければ幸いです。

取引先企業の被災は、対岸の火事では済まない

2022年3月16日深夜23時36分、福島県沖 深さ60kmの地点で地震が発生した。地震の規模はマグニチュード[M]7.3(推定)。この地震で宮城県登米市や蔵王町ほかで最大震度6強を観測。東北新幹線の福島駅(福島県福島市)との白石蔵王駅(宮城県白石市)間を走行していたやまびこ223号は脱線した。各地で被害が出たことで、2011年3月の東日本大震災を思い起こす大規模な地震となった。

このような発災時は、従業員(とその家族)の安否、また自社施設の被害状況などを最優先に確認するのはもちろんだが、仮に自社の被害が軽微あるいは皆無だったとしても安心するのは時期尚早だ。

というのも、事業はさまざまな企業との関係のうえで成り立っているため、関連する取引先企業、さらに直接の取引がなくてもサプライチェーンを構成する事業者の一部が被災してしまうと、自社にも少なからず影響が出ると考えられる。

先の3月16日夜の地震によって、宮城県内や岩手県内にある事業者の部品工場が大きな被害を受け、予定通りに部品を供給できなくなった。これにより、トヨタ自動車やダイハツ工業、スバルや日野自動車など、大手自動車メーカーは生産部門を一時ストップさせた。

(参考)
3月の国内工場の稼働について(発表:トヨタ自動車)

そこで次のステップでは、取引先企業が被災した場合ついて考えてみたい。

[設問①]
重要業務(生産活動や各種サービス等)の継続に影響力がある取引先の中で、できるだけ早く被災状況を把握すべき取引先(匿名可)を想定し、その取引先を挙げた背景や理由をグループ内で共有してください。
[設問②]
停電や輻輳等で電話ができない状況のなかで、上記に挙げた取引先の被害状況を確認する方法を書き出してください。

取引先企業の被災状況を確認。その優先順位を決める

複数企業と取引している場合、災害直後にそれぞれの取引先の災害状況を取りまとめるのはそれなりに時間がかかる。そこであらかじめ、自社の業務にはどの取引先が重要か。その優先順位を付けておく必要がある。

[設問①]
重要業務(生産活動や各種サービス等)の継続に影響力がある取引先の中で、できるだけ早く被災状況を把握すべき取引先(匿名可)を想定し、その取引先を挙げた背景や理由をグループ内で共有してください。
●あらかじめ優先度を付けて重要常務(生産活動や各種サービス等)を整理しておくことが重要
  • ・経営資源を集中して対応すべき業務
  • ・当面切り捨てる業務
  • ・その中間に位置する業務
●経営資源を集中して対応すべき業務の中で、取引先が強い影響力を持つ業務は
  • ・取引先が被災した場合にどのような影響を受けるか、十分検討しておく
  • ・必要に応じて、代替先を確保しておく
  • ・取引先に優先度を付けて一覧化しておく
  • →災害発生時には手際よく順序立てて、取引先の被災状況を確認できるよう準備をしておく

業務上、取引先企業が所有する固有の情報(社外秘資料や顧客情報等)を扱っている場合、災害時にもし何らかの手違いで情報流出してしまうと自社の信用を損ないかねない。秘匿に関わる部分でもあるため、平時に増してより慎重を期す必要がある。

状況把握をする手段をあらかじめ決めておく

災害時における取引先企業との連絡手段を考えてみたい。電話やメールなどが一般的だが、災害発生直後は停電等が発生し、連絡が取りづらくなる可能性が高い。このほかにも、人員が不足しているため、電話の応対やメールの返信が遅れてしまうケースなども考えられる。いずれにしても、すぐに連絡が取れないとなると、取引先企業の被災状況はまったく把握できない。

[設問②]
停電や輻輳等で電話ができない状況のなかで、上記に挙げた取引先の被害状況を確認する方法を書き出してください。
●電話以外で連絡を取る手段(電子メール、SMS等)はそれほど多くない
●停電の場合は、パケット交換機等とつながっているパソコンからの電子メールは使えない
●携帯電話会社の基地局の電源が残っている場合は、携帯端末からの電子メール等は活用できる可能性がある

そこで、対策として考えられるのは以下のとおり。

●できるだけ早く被災状況を把握すべき取引先については携帯端末から連絡が取れるように事前に連絡先を登録するなどの準備をしておく
→担当者の携帯電話番号を事前に確認
●最終手段は社有車・自転車・徒歩等での確認となる
→派遣する従業員の安全確保が前提

日頃から取引先企業との信頼関係を築いておくことで、何か起きたら早急に連絡を取れる手段を準備しておきたい。

この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE