事業継続力強化計画で、SDGsの目標達成と
サステナブルな企業へ

2022.01.24SDGs・事業承継

2019年5月29日に成立し、同年7月16日から施行された「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(以下、中小企業強靭化法)」は、中小企業の災害対応力を高めるとともに、スムーズな事業継承を推し進め、中小企業の事業継続を目的としています。

災害発生により事業継続が困難になる中小企業が出ないようにするため、防災・減災に取り組む中小企業が事前対策を計画し、申請してそれを国(経済産業大臣)が「事業継続力強化計画」として認定する制度となっています。

三井住友海上あいおい生命は、生保業界で初めて申請サポートを行っており、中小企業のBCPと事業継続力強化計画の作成をサポートしています。

安心や喜びを提供するために始めた「申請サポート」

認定を受けるための申請サポートを開始した背景と経緯。

認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策を受けることができます。

中小企業にとっても災害対策は必須ですが、対策を講じている中小企業は非常に少ないのが現状です。 「そこまで手が回らない」「何をどうすればいいのかわからない」などの理由により後回しになっているケースが多いです。

しかし、近年、気候変動による自然災害は増加しており、事業継続のためには必要な対策の一つです。 中小企業の皆さまが「中小企業強靭化法」の優遇措置を受けながら、申請に向けて、記載内容での不備をクリアでき、態勢整備を対話しながら進められる便利ツール「きょうじん君(詳細は後段にて説明)」を活用して、申請サポートからBCPマニュアル作成までの対策に取り組むことができれば、より多くの方へ安心や喜びを提供できるのではないかと考え、申請サポートを開始することにしました。

事業継続力強化計画はSDGs目標達成に必要なこと

「SDGs」の取り組みにも関連しています。

当社は「SDGs」を道標とし、「目指す社会像」の実現に向け取り組んでいます。その「SDGs」17項目中の13と8が関連しています。

項目13は、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)および適応の能力を強化することであり、本取り組みの中心となります。

項目8は、すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進することです。自然災害が起こり、企業の売上が減少した場合でも、固定費である役員報酬や従業員給与を確保するなど、経済的な対策も事業継続には非常に重要です。

サポート開始からこれまで行ったサポート実施数や主な業界は。

2019年度の当社支援件数は79件だったが、21年度(12月末時点)の当社支援件数は1522件と飛躍的に伸びました。

支援先の主要業種は、保険業(保険媒介代理業,保険サービス業を含む)、総合工事業、道路貨物運送業、設備工事業。職別工事業、金属製品製造業、廃棄物処理業、社会保険・社会福祉・介護事業、自動車整備業、機械器具卸売業など多岐にわたります。

計画を形で終わらせない、計画策定がもたらした社内の変化とは・・・

実際にBCPと事業継続力強化計画を策定した、味岡生コンクリートグループ(本社:熊本県球磨郡あさぎり町、九州内外に21工場を展開)事例をご紹介します。

「共同作成のリスクマップ・緊急連絡網」と「当社オリジナル認定書」

味岡生コンクリートグループ味岡和貴副社長(以下、味岡副社長)と熊本味岡生コンクリート株式会社第一工場戸島宮本優紀工場長(以下、宮本工場長)にお話をお聞きしました。

作成した「BCPマニュアル」はすぐに出せますか?

いつも机の中に入れておりすぐに出せます。また、作っただけでは絵に描いた餅になるので、定期的にマニュアルを見て災害時の確認をしています。(宮本工場長)

BCPマニュアル(宮本工場長)

事業継続力強化計画の申請時に確認したリスク分析(地震・水災)の災害想定はわかった事は何ですか?

当社の大分県と宮崎県の工場が、地震による津波被害の確率が非常に高く、周辺工場との兼ね合いもあり、災害発生時は従業員の逃げ遅れも想定されました。(味岡副社長)

何か対策をされましたか?

津波水害対応型救命艇を大分県と宮崎県の当社拠点に購入しました。また、大分県と宮崎県の車両を中心に、各車両にライフジャケットを用意し常時対応可能です。(味岡副社長)

救命艇写真

ライフジャケット写真

ライフジャケットも特色があると聞きました。

GPS機能付きで、災害時に流されたとしても捜索が容易にしてあります。とにかく従業員の人命が第一に考えています。(味岡副社長)

GPS写真

各拠点での共通する対策はありますか?

熊本地震を教訓に、各拠点に自転車を備えてあります。燃料の必要はありませんし、もしもの時に会社業務はもとより、会社近くに住む社員にも活用させたいと思っています。また、女性従業員の意見も聞きながら、非常用の備品も備えました。(宮本工場長)

各拠点備え付け用の「自転車」と「非常用備品」

最後に、今回のBCPや事業継続力強化計画の作成に当たり、社内で何か変化は起こりましたか?

災害時を想定して第一に考えたことは、従業員の人命第一です。従業員はもとより、ご家族からも
『会社はたとえ息が途絶えることになってもGPSで探してくれる』
『これだけ人を大事にする会社に主人が働くことが出来て幸せです』
『日頃の業務も含めて全力でサポートしたい』との嬉しいお声を頂きました。

BCPの取り組みをして、会社内の信頼と団結に繋がり非常に良かった。これでBCPを土台に進化する未来へ導けます。(味岡副社長)

当社独自ツールで、事業継続力強化計画からBCPまで策定支援

当社の具体的なサポートの流れをお話しします。

「中小企業強靭化法」の説明から申請完了までフルサポートしています。まず、対話ツール「きょうじん君(当社独自ツール)」を使い、お客さまと対話をしながら「事業継続力強化計画」の策定支援を行います。

ZOOMでも実施しています。同時に、前述宮本工場長が手にしていた「BCPマニュアル」まで作成支援します。次に管轄する経済産業局に申請書および必要書類を提出するための「事業継続力強化計画 申請書提出用チェックシート」を用い、必要書類に不備や漏れがないように確認します。提出後45日程度で認定通知書が交付されます。

サポートツール写真

サポートを受けた企業からの声は

企業からは「『事業継続力強化計画』の認定を受けることができたうえに、自社のBCPマニュアルを作成できたことが大変ありがたかった」「自然災害の発生など、事業の継続に支障をきたした際の資金繰りはどうなるか、またその対策はどうするべきかを検討するうえで、資金繰りの変化が具体的な数値で明確になり、万全な対策を講じることができたので大変安心した」といった声が寄せられました。

今後について

事業継続力強化計画の認定支援をきっかけに、国の企業向け健康診断ツール「ローカルベンチマーク」を活用し、災害時だけではなく、平常時においても、売上増減や固定費を守る取り組みが可視化できるツールを開発しましたので、そのツールを活用しながら、お客さまはもとより、セミナーや勉強会でご縁が出来たお客さまへの情宣を積極的に行ってゆきお役に立ちたいと思っております。

災害が財務に及ぼす影響をシミュレートする「財務分析報告書」写真

【執筆者】

三井住友海上あいおい生命保険株式会社
営業教育企画部 部長
教育トレーナー室 室長
梶原 浩志

この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE