経済産業省関東経済産業局では、災害時に必要となる資金を簡易に算定することができる、『リスクファイナンス判断シート』の提供を開始しました。
本年元日に発災した令和6年能登半島地震のように、自然災害は全国各地で発生しており、発生日時や場所は予測が困難です。災害の規模や種類も様々で、今後も日本全国で災害が発生する可能性があります。
民間調査会社の調査結果によれば、被災から復興する際に役に立ったものの約8割は資金面での対策となっておりますが、他方で自社が自然災害に関して抱えるリスクについて、半数以上の65%の事業者は損害金額など一定のリスクを把握していない状況です。
実効性の高い防災減災対策を進めるためには、資金面での対策など災害時のリスクファイナンス確保が大きな課題となります。そこで、今般関東経済産業局では、災害時に必要となる資金を簡易に算定することができる、『リスクファイナンス判断シート』の提供を開始しました。
シートは地震と水災に係る自社のリスクをハザードマップから確認し、さらに決算書等の情報を基に休業期間中の運転資金や復旧にかかる資金、調達可能な資金を入力することで、災害発生時の自社の資金の状況を簡易的に算定することができます。(注)
(注)本シートは、立地地点で想定する災害による復旧費の参考値や休業の目安期間等を簡易に算出する目的で開発したものであり、実際の発災時の被災規模等を分析して算出したものではないことにご注意ください。
実際の災害では、地震であれば震度だけではなく、揺れの長さや揺れ方、さらには立地地点の地盤の状況などによって被害規模は様々であり、本シートの活用の際には、算出された値を目安にして、事業者自身で被害規模等を設定する必要があります。
また、被災の内容や被害の状況によっては契約している保険金額の全額を受け取ることができない場合等もあります。金融機関等からの融資や行政等からの補助金等も、被災状況よって融資等を受けることができる条件や金額については様々であり、各実施主体に十分確認する必要があります。
増加する災害への備えとして、まずは自社の置かれているリスクと、資金面での対応状況を分析し、必要な備えについて検討しましょう。