感染症や防災に備えるための計画策定を学ぶ「事業継続力強化計画策定セミナー」が9月から、全国(一部オンライン)で順次開催されています。
今回は、10月28日、東京(新宿)で開催されたセミナーに参加しましたので、その内容をご紹介します。
当セミナーは、国の事業継続力強化計画認定制度を設けたことを受けて、中小企業事業者の皆様の「事業継続力強化計画」策定の支援を目的とするものです。今回のセミナーでは講師の話を聞く座学だけでなく、実際に申請書を作成する演習形式の内容も含まれていました。
講座名:講座演習セット<基礎講座+計画策定演習>(会場開催)
開催日:2020年10月28日(水)10:00~16:00
場 所:東京リーガルマインド 新宿本校
講義風景
当日は、新型コロナウイルス感染症対策の三密回避のため受講者は少なめの9名でしたが、講師3名の他、支援者の方が2名で対応していただけて、ちょっと贅沢なセミナーでした。災害に「備え」、ネットワークそして事業を「繋ぐ」、企業の災害対策を具体的に考える、いい機会になりました。
午前中は基礎講座として、事業継続力強化計画をなぜ作成するのか、事業継続強化計画認定制度、策定の手順とポイントの説明を受けました。
午後からは計画策定演習として、事業継続強化計画の申請書を、実際に記載するものでした。記入例があるため、それを参考にしながら申請書の作成を進めることができます。
また、災害リスクの確認には参加者の事業場のある地域のハザードマップが用意されており、自社のリスクを確認しながら作成するため、持ち帰ってそのまま使える申請書が一通りできてしまいます。
計画策定演習では、作成に困っていると講師や支援者がすぐに席まで来て的確なアドバイスを受けられます。また、作成時の他の参加者との議論や、発表での講師の講評に気づきも多く、災害対策について視野を広げることができました。自社の計画について考え、見直すいい機会になりました。
今回のセミナーでは、事業継続強化計画策定における5つのステップを理解し練習することができました。防災対策の「はじめの一歩」を踏み出したと感じました。
<事業継続力強化計画の取組ステップ> |
STEP.1:事業継続力強化の目的の検討
STEP.2:災害リスクの確認・認識
STEP.3:初動対応の検討
STEP.4:ヒト・モノ・カネ・情報への対応
STEP.5:平時の推進体制
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演習時の発表の様子
終わりに、講師から、「災害対策および感染症対策に終わりはありません。事業継続力強化計画を策定された際は作りっぱなしにせず、継続的な事業継続力取組みを行い、着実に事業継続力の向上を目指してください」と締め括りの言葉がありました。策定しただけで使えない(使っていない)事業継続計画(BCP)の話をよく聞きます。訓練、教育により発展させ、いざというときに役に立つ計画にしていくことが重要だと感じました。
また、受講者から、「事業所に戻ったら、もう一度現場を把握し、事業継続力強化計画の策定を行いたい」、「早く申請書を提出し認定を受けたい」という声が聞かれました。
グループの話し合いと講師のアドバイス
講師によると、アンケートで「非常に有意義なセミナーでした」の声をいただいているが、一方で現在蔓延している「新型コロナウイルス感染症について具体的に対策を教えて欲しい」という意見がありました。今後は「感染症」についてもより深くお話できるよう検討していきたいとのことでした。
ご案内
「事業継続力強化計画対策セミナー」は、①基礎講座(セミナー)②計画策定演習(ワークショップ)③講座演習セット(基礎講座+計画策定演習)の3つのプログラムからなっており、全国(一部オンライン)で開催中です。皆様のご参加をお待ちしています。
詳細をお知りになりたい方、申し込み希望の方は、中小企業基盤整備機構HPの講座案内をご覧ください。
https://kyoujinnka.smrj.go.jp/seminar
(参考)12月以降の開催予定は次の通りです