シンポジウム
予測できない危機を
乗り越えるために
〈登壇者インタビュー〉
常に危機感を共有し、
全社一丸となって
取り組むことが大切
株式会社西松屋チェーン
代表取締役社長 大村 浩一 氏
都市近郊部、ベッドタウンをクルマで走っていると、道路脇に「西松屋」の看板を一度は目にしたことがあるだろう。「西松屋」は、乳幼児、子供、マタニティー用衣料、さらに育児用品などを取り扱う専門店として、特に子育て世帯にとってなくてはならない存在だ。
同店を運営している株式会社西松屋チェーンは、1990年代後半からチェーンストア経営を積極的に展開し、多い年には年間82店舗(2003年度)を新規出店、今や北海道から沖縄(石垣島)まで全国で1018店舗(21年9月現在)を展開している一大チェーンストア企業にまで成長した。
西松屋チェーンがこのような成長を遂げている理由のひとつに、「より豊かに、より便利に、より楽しく」という理念がある。
子どもを持つ世帯が毎日をより豊かに暮らせるよう、低価格でありながらも確かな品質の商品を開発。購入者の満足度を高めつつ、子育て世帯の居住地域の近隣に店舗を出店することで、店舗の利用しやすさ、購入の手軽さの向上を図っている。
約7000点にも及ぶプライベートブランド商品の開発をはじめ、全国1000店舗以上の経営を一手に担っているのが、今回のシンポジウムに登壇していただく、株式会社西松屋チェーン 代表取締役社長 大村浩一氏である。
大村氏は87年生まれ。東京大学法学部を卒業後、みずほ銀行に入行。14年に西松屋チェーンに入社し、経営企画室長や店舗運営本部副本部長などを歴任。その後、取締役専務執行役員社長補佐室長を経て、20年8月に代表取締役社長に就任した。
就任当初、同社の経常利益は2020年2月期まで3期連続で減少していたが、大村氏は社長就任前から仕入れや在庫管理の仕組みの見直しといった収益性の向上に着手していたことで、2021年2月期には大幅な増益に転じた。2022年2月期には140億円の経常利益の見通しを立てている。
就任早々これほどの成果を出せたのは、「全社員が危機感を持ち、一丸となった」(大村氏)ことを理由に挙げるとともに、「1,000店を超える規模になったことで、変わっていかないといけない」(大村氏)と、常に経営を改善していく姿勢を緩めない。
今回の基調講演では、西松屋チェーンが新型コロナ感染症拡大の中で、どのように事業を継続し、立て直し、かつ成長させてきたかについて大村社長ご自身にお話し頂く。
また、子育て世代にとって欠かせない存在となっている「西松屋」の社会インフラとしての役割や、災害時の緊急事態対応、そしてどういった手順で通常営業を早期に取り戻すか、といった具体的な取り組みについても触れて頂く。
大村 浩一(おおむら こういち)氏
株式会社西松屋チェーン 代表取締役社長
1987年、兵庫県姫路市生まれ。2010年、東京大学法学部卒業。同年株式会社みずほ銀行入行。14年、株式会社西松屋チェーン入社。経営企画室長、店舗運営本部副本部長を経て、19年、取締役執行役員社長補佐室長。20年1月、取締役専務執行役員社長補佐室長。同年8月より現職。
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