グループ親会社の意向で、親会社を主体とする連携事業継続力強化計画の策定を進めることになった。この親会社の計画策定、及びグループ内企業の経営者向け勉強会を、中小機構 近畿本部が担当していることもあり、同本部からの連絡を受けた中国本部の中小企業アドバイザー 井上明雄氏が山海に向かった。
親会社の連携事業継続力強化計画が所在地近隣のグループ会社を中心に作られることとなったため、これとは別に、自社の連携事業継続力強化計画の策定を検討し、さらなる強靱化を目指した。
「グループ全体の勉強会で計画書の概要はある程度把握していました。そのうえでアドバイザーの井上様には、弊社の連携事業継続力強化計画の中身について、いろいろご意見をいただきました」(荒木氏)
日頃から災害に対する危機感を強く感じていただけに、自社のBCPの取り組み、また単独型の事業継続力強化計画の策定については、社内の検討・調整でおおむねクリアできると判断した。
しかし、連携の計画となると、なかなか思うように話は進まない。自社の事業のどの部分を連携するかで相手先が変わってくるうえ、連携する企業の経営者に計画の内容を共感してもらう必要があるためだ。これについて井上氏と荒木氏は、
「業種が特殊なだけに、連携先企業はすぐに決まりませんでした。荒木専務にヒアリングさせてもらう中で、山海様に原材料を供給している2社の仕入れ先と連携できないか、という提案をさせていただきました」(井上氏)
「たしかに同業者と連携すれば、何かあったときに代替生産が可能になりますが、弊社は特殊な食品加工をしているため、いますぐ連携するのはなかなか難しいと判断しました。そんなとき、井上様から原料供給という面にポイントを当てて連携するのはどうかというお話をいただき、その必要性も重要だと感じました」(荒木氏)
工場スペースの大部分は食品加工装置が占めており、原材料・製品を保管する場所はそれほど多くない。製品は取引先企業の倉庫に一時的に保管していることもあって、原材料を供給している2社と連携する話を進めた。