今回のジギョケイでは、連携各事業者において、災害時に従業員を守るための対応のほか、被害状況の共有、さらには必要に応じての復旧等にあたる人員の相互派遣、施設の融通、代替生産の実施などが取り決められています。
「天災など事業継続にかかわる事態が発生したときは、弊社の駐車場や会議室を提供し、連携事業者が一丸となって復旧を目指す体制を構築します。弊社駐車場については周囲の土地よりも約2m高くする大規模なかさ上げ工事も完了しており、発生リスクが高い水害時でもその機能を十分に果たせるものと考えております」(平木氏)
こうして2022年11月にスタートした連携型のジギョケイは、その実効性を高めるため、日々の努力が続けられています。
「まだ弊社単独の取り組みですが、『命を大事に』を第一に、避難訓練を実施しています。私たちのノウハウが欠けている部分については、損害保険会社のサポートを仰ぎつつ、災害時に必要な防災、減災の備品関係のチェックを行う『寄り添いマップ』の提供、緊急時に従業員が適切に判断するためのチェックシートの開発などを進め、連携する事業者と共有するようにしています。また平時はとくに連絡会議などは設けていませんが、定期的なミーティングで交流を深め、いざというときの共助の意識の醸成に取り組んでいます」(平木氏)
さらに同社は、このジギョケイから一歩踏み出したBCP対策も進めています。
「たとえばふだんは外注している段ボール箱を作るときに使う抜き型については、ある程度は自社でも作れるものの、100%内製は不可能です。そのため、外注先で生産が困難になったとき、他地域の同種の事業者にデータを移管して生産を委託する手配は進めています。また弊社そのものが被災した場合には、ふだんは競合関係となっている同業他社に、一時的に生産を引き受けていただくような覚書も交わし、サプライチェーン全体が止まってしまうようなことがないよう対策しています」(平木氏)