埼玉県熊谷市は、古くは中山道の宿場として栄え、明治から大正期には肥沃な土地を活かした農業、さらに昭和から平成にかけては充実した交通網を背景とした商工業都市として発展。現在は人口約20万人を誇る、埼玉県県北地域の中心都市となっています。同組合常務理事の佐野直人氏は、これまでの同組合の歩みを以下のように振り返ります。
協同組合熊谷流通センター 常務理事 佐野 直人 氏
「当組合は、1972年、熊谷エリアの卸売り事業者によって設立され、3年後の1975年に現在の場所に卸団地を開設しました。当時は全国的に産業の発展とモータリゼーションの進展が同時並行で進み、住宅地とさまざまな事業者の拠点の混在による生活道路へのトラックの進入、交通量の増大による往来の危険などが大きな課題となっていました。こうした課題の解決のため、国は郊外の工業団地や商業団地に事業者の移転を促すことにしました。本卸団地も、そうした団地のひとつです。組合員は当初、ほとんどが卸売り事業者でしたが、主要道路へのアクセスのよさや、使い勝手のいい構内道路、共用施設に魅力を感じて加入する事業者も増え、現在は卸売り事業者以外も含む59社により構成されています」(佐野氏)
そして組合の業務は、こうした組合員に良好な業務インフラを提供することを主な目的としています。
「具体的には団地内の上下水道事業、配送を共同で行う共同物流事業、組合の保有する倉庫や会議室、展示室などの共同利用、ガソリンスタンドを運営する共同給油事業、さらに団地全体の共同警備などです。さらにこうした組合財産の管理も、組合の事業としています」(佐野氏)