「事業継続力強化支援事業」を活用して、
災害に負けない経営を目指す③
[計画内容を改善する]認定後における計画の見直しを考える

2022.02.14事業継続力強化計画を策定したい
「事業継続力強化支援事業」を活用して、災害に負けない経営を目指す①[知る]事業継続力強化計画とは?

本動画では、3回シリーズの記事をまとめてご紹介しております。
ぜひ記事と合わせてご覧いただければ幸いです。

事業継続力強化計画の認定開始からまもなく3年

2019年7月に中小企業強靱化法が施行され、これと同時に始まった事業継続力強化計画(ジギョケイ)は、認定開始からまもなく3年が経過しようとしている。

このジギョケイは計画期間が最長3年であるため、開始当初認定を受けた事業者は、期間満了に伴い更新手続きが必要になる。

この3年を改めて振り返ると、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、人々の生活スタイルや働く環境などが大きく変化した時期であった。

人との接触をできるだけ避けるため、リモートワークで対応できる場合は自宅での作業に切り替えたり、対面での会議やミーティング、出張等を自粛したりする動きなど、これまでは考えられなかった変化が次々に訪れた。

わずか3年間で自宅や仕事の環境がこれほど変化したことは、誰もが想像がつかなかっただろう。そう考えると、コロナ禍以前に策定した計画書は、感染症対策の項目が盛り込まれておらず、更新時に見直しが必要になると考えられる。

事業継続力強化計画の実効性を高めるために

とはいえ、事業継続力強化計画には、事業者が実施すべき防災・減災対策の詳細までを明記することは求められていない。

具体的な防災・減災対策については、各事業者の自主性に任せてられており、それぞれの企業が遭遇する状況に合わせて、計画書を常に見直しながら内容をブラッシュアップすることで、より実効性の高いものを目指すことを目的にしている。

計画認定時、つまり初期段階で検討したものがプランのすべてではなく、実際に運用しながら気付いた点を修正し、実践的かつ役立つ内容に仕上げていくことが大切だ。

改善点を洗い出し、次の段階で計画書にどんな対策を盛り込むべきか。それが認定更新時に検討すべき課題になるだろう。

計画内容の見直しはいつ行うべきか

では、計画の見直しが必要になるタイミングを考えてみたい。これに際しては、中小企業庁のホームページに掲載されている「中小企業BCP策定運用指針」の項目が参考になる。下記はBCPについて記述したものだが、事業継続力強化計画の策定時においても、これらの指針は基本的に変わらないといえる。

[実施のポイント]

  • あなたの会社の組織体制に大きな変更があった場合
  • 取引先(供給元または納品先)に大きな変更があった場合
  • あなたの会社の中核事業に変更があった場合
  • 新しい事業ライン、製品、またはサービスを開発した場合
  • 主要な情報通信システム、ネットワークに大幅な変更があった場合
  • あなたの会社の業務に関連する、国や業界のガイドラインが改訂された場合
  • サプライチェーンからの要求に変更があった場合等
  • 新たに防災設備を導入し、税制優遇を受ける場合

ケース1 
[社内で変更があった場合]

組織や体制の変更、また新しい運用システムや設備等を導入すれば、そこで人が入れ替わる。人員の配置を変更すると、それまで運用していた安否確認システムのリストは陳腐化するので、即時刷新しなければ実効性が伴わないものになる。さらに、緊急時の対応が全員に周知されているかの確認も必要になるだろう。

ケース2 
[取引先やサプライチェーンが変更・要望があった場合]

自社はまったく変わっていなくても、取引先企業やサプライチェーンの一部が変更、あるいはそこから要望があった場合、作業内容や手順が新たに追加されることになる。変更が生じた場合、それが安全に運用できるのかをまず確認すると同時に、必要な場合は計画の見直しも検討すべきだろう。

ケース3 
[国からの要請、業界のガイドライン、法律改正等]

国からの要請、ガイドラインや安全基準の改訂等によっても影響を受けることがある。それまでの計画では対応できなくなった場合は、計画の見直しが必要になる。

ケース4 
税制優遇措置を受ける場合

認定後に、中小企業防災・減災投資促進税制(特定事業継続力強化設備等の特別償却)の優遇を受ける際は、対象となる防災設備(発電機、止水板、消火器、簡易トイレ等)を計画書に記載しておく必要がある。もし、記載がない場合は、計画書の項目を変更し、再度認定を受けなければならない。

企業が事業を継続していくうえで欠かせない、ヒト・カネ・モノ・情報といった経営資源は常に変化していく。これらの動きに敏感な経営者は多く存在するが、この変化によって副次的に影響を受ける防災・減災対策までは、なかなか頭が回らない場合が多い。

認定を受けたから大丈夫、といって計画書を放置してしまうと、内容は月日の経過とともに使い物にならなくなる。そういう状況にさせためにも、事業継続力強化計画は事業を継続するうえでの原理原則を盛り込んだものということを意識して、常に見直すことを心がけるべきだろう。

更新時におけるフォローアップについて

事業継続力強化計画の認定期間満了が迫り、初めて更新する認定事業者にしてみれば、更新はどのように取り組めばいいのか不安を抱えている経営者は多いだろう。そこで、更新時における疑問をいくつか中小機構に尋ねてみたので、参考にしてもらいたい。

Q.1
改善する項目がなければ、初回認定時と同じ内容の書類を提出しても問題ないでしょうか。

A.1
原則問題ありません。しかし、3年前と同じ内容の書類を提出しても、計画だけのものになると思われます。実効性を高めるためにも、ハザードマップの再確認、備蓄品の再確認、連絡網の再確認等、3年前から変わっている点を確認する必要があるでしょう。

Q.2
専門家のアドバイスを受けた方がいいでしょうか。

A.2
はい、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。第三者でかつ専門的な視点から御社の防災・減災対策を確認することで、経営者ですら気付かなかった社内の危険について新たに分かる点が出てくるかも知れません。初回認定時にアドバイスを受けた専門家がおられましたら、その方に再度相談してみるのがいいと思います。

Q.3
「事業継続力強化支援事業」にある、フォローアップについて教えてください。

A.3
令和4年度は、中小機構として更新申請の相談に対応する予定です。更新に限らず計画の見直しや訓練の実施等でご不明な点があれば、お問合せフォームからご連絡をください。

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