BCP対策は急務とはいえ、実際に何から取りかかればいいのか。多くの経営者の悩みと同じように、髙田氏も具体的な対策については検討しあぐねいていた。そんな髙田氏だったが、商工中金 和久氏からの働きかけで一歩前に進むことができたという。
「和久支店長の話を聞いて、供給責任、それに従業員の雇用や生活を確保するために、BCP対策は企業として今すぐに果たさなければいけない責任だと感じました。それは草津電機単体ではなく、グループ全体で対策することが必要ですし、そのための投資もしなければいけません。そこでサポートをお願いしたところ、中小機構が開催しているセミナーのお話をいただき、そこに参加することにしました」(髙田氏)
商工中金は、企業のBCP対策をどのように取り組んでいるのか。和久氏に伺うと、「近年、企業のBCP対策が注目されていることもあり、本業支援の一環として、BCP対策も支援することが増えてきました。弊社が対応するのはファイナンシャルに関してですが、具体的な取り組みは、中小機構や中央会(全国中小企業団体中央会)といった支援団体に参画してもらい、共に協力しながら支援しています。やはり私たちの業務は、顧客である企業の事業継続があってこそ成り立つものです。草津電機様は大津支店で最大の取引先であり、同社の事業継続は私たちにとっても非常に重要ですので、髙田社長を全力でサポートすると決めました」(和久氏)
セミナーを受けた髙田氏は、グループ企業を含む連携事業継続力強化計画を検討した。また、グループ各社には、それぞれの企業で計画を策定するように進めた。
「どんなにいい計画やマニュアルでも、いざという時に使えなかったら意味がありません。そこで、こういった計画を作成するときは、周りをいかに巻き込むかだと思っています。今回もできるだけいろいろな人に集まってもらい、一緒に話を進めていこうと考えました。グループ企業を含む12事業所すべてに事業継続力強化計画の事務局を設置し、専門家からのアドバイスを受けながら計画書を作成する旨を申し渡しました」(髙田氏)
以前、本サイトの事例でも紹介した株式会社 山海も草津電機グループの会社の一社として、事業継続力強化計画を策定した。