福井県で県を挙げて行われる防災訓練がある。自衛隊、消防、警察をはじめ、ガス、電気、水道などのあらゆる関係機関が集まり行われるが、令和4年度の訓練では同社に声がかかり、福井県の備蓄基地から避難所まで物資を運ぶという訓練に携わった。さらに、2022年11月に行われた中小企業中央会の全国大会では、約2000人が集まり、全国の組合員の中から優良組合として選ばれる40の組合の中に入り表彰された。これらのことについても、連携型の強化計画の認定を受けたからこそであり、決して自分1人の力ではなく、組合員が全員加盟し一致団結した結果であると、佐々木氏は取り組みに対する姿勢を崩さない。
「我々がお届けする荷物の中には、病院のお薬など何時までに届けなくてはいけない物があります。豪雨の時も活躍してくれたように、当社の4輪駆動の軽自動車たちは、雪道であろうとスタックしやすい田んぼの中の多少ぬかるんだ道でも走ってくれるので、今後もこうした機動力を生かしていきたいですね。それから、災害など何かあった時には、中継拠点を設けて相手の業者さんと2社で連携するなど、組合員全員がお互いを助け合い、守る。そこは最重点に考えていきたいと思っています」(佐々木氏)
全国組織として事業を展開する同社では、実際に県をまたいで連携し合うことが多い。例えば最近でも、富山県の赤帽から車が回らなくなってしまったと応援要請を受け、福井から富山のお客様まで出向いて荷物をピックアップし、九州のお客様まで届けるということがあったそうだ。
「こうした経験を通じて、みんなで一緒に頑張っていこうと、気持ちがひとつになっていっているなと感じています。みんなで協力し合う、助け合う。それが事業の継続にも繋がると思うし、お客さんの信頼、信用を得ることにも繋がっていくと考えています」(佐々木氏)
個人事業主として働いている組合員にとって、もし、あなたに何かあったら大切なお客さんが困ってしまう。そういった時に組合があなたを守る。連携型の計画にはそういった意味合いも大きいと語る佐々木氏。その重要性を知る同社の呼びかけや気づきに、連携の輪が広がる日もそう遠くないはずだ。