障がい者も安心して働ける企業へ
株式会社きむらクリーニング

従業員数98名(計画申請時)
洗濯・理容・美容・浴場業
単独型から連携型へ発展
連携型
きむらクリーニング外観の写真
きむらクリーニング従業員の写真

株式会社きむらクリーニング

代表取締役社長 木村 孝
洗濯業
北海道日高郡新ひだか町静内神森261-2
1964年9月1日創業

静内川の河口に位置する新ひだか町は、日高山脈の麓に広がる競走馬の牧場で知られるところ。北海道らしい広々とした自然豊かなこの町に、株式会社きむらクリーニングはある。地域の医療機関やインバウンド需要の高い大型リゾートホテルなどのクリーニングやリネンサプライを引き受け、1日に10トンほどの生産を行っている。地域の福祉活動にも力を入れている木村社長は、全国障害者雇用事業所協会の理事を務め、障がい者の雇用を積極的に行っている。2018年の北海道胆振東部地震で全道停電した経験を踏まえ、災害時にサプライチェーンの責務が果たせるよう、連携事業継続力強化計画策定の取組を始めた。

重点対策

雇用している障がい者への災害時の配慮

主な対策や変化

  • 起こりうる被害想定を、あらためて確認した。
  • 災害時にも、障がい者が安心して働ける職場環境を整えている。

防災や減災効果・経済効果

  • ハザードマップで、自社の立地している地区の被害想定や工場設備の耐震状況、連絡網などを定期的に確認するようになった。
  • 災害時の混乱を防ぐために、障がいのある従業員を含め、緊急時の指揮系統や手順を決めておくことができた。

重点対策

遠隔地の同業者との業務提携

主な対策や変化

  • 同時に被災する可能性の少ない、同業3社で相互補完的な協力関係を結んだ。

防災や減災効果・経済効果

災害時には3社で協力して人員補助や代替生産を行うなど、早期復旧への具体的な取組案が作れた。

雇用している障がい者への災害時の配慮

災害の被害想定を改めて確認

内閣府の日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に関する統計結果で、北海道は震度7の揺れに襲われる可能性があることが分かった。北海道胆振東部地震では想定外の全道停電となり、きむらクリーニングは運良く2日ほどで電源が復活したが、なかには5日も停電していた地区があった。電気はもとより重油の供給が止まるといった事態は、ハザードマップには載っていない。これら自然災害による二次災害の可能性に思い至り、改めて事業継続力強化計画の必要性を感じた。

リネン類のクリーニング風景の写真
リネン類のクリーニング風景

多様な従業員を守るために

きむらクリーニング全従業員に占める障がい者の割合は3分の1ほど。多様な従業員を安全に避難させるにはどうしたらよいかを検討した。まず事務所に距離的に近い場所に住む従業員を、災害時の緊急参集担当とすることに決め、連絡リストや安否確認などの手順については、今後、わかりやすくイラスト化するなどの対応を検討している。

遠隔地の同業者との業務提携

災害時こそ必要な業種

災害時には、受傷者を治療する医療機関や、避難先となる宿泊業がクローズアップされるが、そこで使われる白衣やリネン類を洗うのはクリーニング業。つまりクリーニング業も早期に事業を再開できないと、医療機関や宿泊業の業務に滞りが出てしまう。以前、自社の機械にトラブルがあった際、同業他社(ヤスダリネンサプライ)の工場を借りた経験があり、非常時の代替生産の重要性は身にしみていた。災害時にもサプライチェーンとしての役割を果たすため、同業者と連携事業継続力強化計画を策定することにした。

提携各社の同時被災を避ける

同時被災の確率が低そうな、新ひだか町から離れた広尾郡のヤスダリネンサプライ、苫小牧のスタークリーニングと提携。お互いに情報を共有し、災害時の人員派遣や代替生産の手配などを随時電話等で確認している。

マップ
遠隔地の同業者との業務提携

従業員への
周知方法

年に一回の避難訓練は、長年行ってきている。避難場所や避難経路は常時点検して社内に掲示している。また今回の連携事業継続力強化計画を、障がい者を含む全社員にわかりやすく伝えられるよう、イラストや口語体を使った配布物などを検討中である。

他社との連携

組合等を通じた水平的な連携(同業他社との相互連携)。
遠隔地にある同業3社による連携。いずれかが被災した場合に備えて、早期復旧に向けた取組支援や代替生産等を想定した連携となっている。はじめに、単独型で計画を申請したが、それは自社の自然災害による被災リスクを再確認することに非常に役立った。さらに連携型に発展させることにより、人員補助や代替生産で他社と協力できれば、災害からの早期復旧や、サプライチェーンの供給責任を果たすことがより実現可能になると考えた。

苦労した点・
工夫した点

災害時の事業継続に関する事前対策が必要なことは充分に承知していても、中小企業では人手不足などで、なかなか手が回らないのが実情である。そういった場合には、中小機構の専門家支援等、専門家を活用することも有効だと思う。今回は中小企業診断士の大川和久氏のご尽力で、まずは単独型計画の認定を受け、続いて連携型計画の認定を受けることができた。

今後の展望

連携事業継続力強化計画に取り組むことで、従業員や家族に、働く上での安心感を与えることができる。取引先には、万が一の災害があっても、サプライチェーンが止まるリスクが低いという信頼感を示すことができると思う。単独型計画から、今後は連携型計画へと発展することになるため、障がい者を含む全従業員への周知・浸透も必要になってくる。顧客情報のクラウド化、同業他社の連携先を増やすなど、まだまだ考えることが多い。認定を受けたことに満足せず、事業継続力の強化をさらに進めていきたい。

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