既存BCPを目に見える認定に
新和工業株式会社

従業員数190名(計画申請時)
金属製品製造業
BCPの見える化
単独型
神話工業株式会社の外観の写真
金属製品製造を行う従業員

新和工業株式会社

代表取締役社長 佐藤好哉
金属製品製造業
岐阜県中津川市駒場松源寺1509-31
1973年6月創業

岐阜県最東部、長野県に近い中津川で自動車の重要保安部品や家電部品の板金加工を行っている新和工業株式会社。当地は南海トラフ沖地震プレートにかかる岐阜県唯一の地区であり、「東海地震に係る地震防災対策強化地域」および「東南海・南海地震の地震防災対策推進地」である。すなわち、30年以内に80%以上の確率で地震が起こるであろうという地域に指定されている。しかし、近年では大きな災害に無縁で危機意識が薄れがち。重要パーツのサプライチェーンとして、より緊張感を持って部品供給体制を築こうと、事業継続力強化計画に取り組んだ。

重点対策

重要インフラの停止対策

主な対策や変化

  • 太陽光発電や蓄電池システムを導入した。

防災や減災効果・経済効果

災害時に重要インフラが停止しないシステムの構築。さらに環境活動にもプラスになった。

重点対策

BCPの策定と運用

主な対策や変化

  • 大型生産設備の耐震補強や設備の更新計画を策定した。
  • 従業員の多能工化を行い、多様なキャリアを持てるようにした。
  • BCP計画を見える化した。

防災や減災効果・経済効果

  • 計画的な施設更新によって、老朽化による事故を未然に防ぎ、平時でもトラブルによる供給不能にならないよう対策している。
  • 災害時に業務が止まらないよう、従業員の多能工化を図っている。従業員が多様な業務に対応できるように、スキルマップやキャリアプランに合わせた人事異動を行っている。
  • 事業継続力強化計画の認定を得ることで、さまざまな防災対策を外部にアピールできるようになった。

重点対策

教育の実施

主な対策や変化

  • 定期的な委員会の開催による最新情報を共有している。
  • 平時から災害アプリを活用し、連絡伝達を行っている。
  • 災害時の擬似体験プログラム実施による訓練を行っている。

防災や減災効果・経済効果

  • 年1回の定例BCP委員会の実施と、年2回以上の訓練や防災に関する勉強会を実施し、BCPをA3一枚にまとめたシートを配布、社内にも掲示して情報を共有している。
  • 現場の中心となる従業員が、災害時に素早い判断ができるよう訓練を実施している。平時から、災害アプリを活用することで、防災訓練を兼ねられるようにしている。

重要インフラの停止対策

災害時の基幹インフラの確保

災害による停電対策のため太陽光発電と蓄電池を設置。工場の機械全てを動かせるほどのものではないが、受注管理や生産管理などの基幹システムをダウンさせないように備えている。

太陽光発電や蓄電池の導入による環境活動

ソーラーパネルの導入により、通常電力を自社に取り込んだり売電をしたりして経費節減に貢献している。また、CO2削減にも貢献している。

太陽光発電や蓄電池の導入の様子の写真
太陽光発電装置

BCPの策定と運用

大型生産設備の耐震補強や設備の計画的な更新

過度な在庫を持たないことがよしとされる自動車産業のなかで、代替手段の少ない基幹アイテムを作る施設が老朽化で壊れると、自動車メーカーの製造ラインをストップさせ、ひいてはエンドユーザーに多大な迷惑をかけてしまう。そのために10年スパンで設備の更新計画を立て保守メンテナンスをしっかり実行し、老朽化による設備のトラブルが起きないようにした。あわせて古い建物の耐震補強も随時行っている。

耐震補強のため棚に落下防止対策をした写真
地震などによる落下防止対策を施した棚

前向きな人事異動による、従業員の多能工化

これまでは従業員の人事異動が少なかったが、近年はそれぞれのキャリアプランに基づき、明確なスキルマップを作り、社内事情に応じて前向きな配置転換・人事異動を行うようになっている。いざという時のために、平時より従業員の多能工化(マルチスキル化)を進めている。この対応は、増産が必要な場合にも役立っている。

事業継続力強化計画でBCPを「見える化」

以前から策定していたBCPを見える形にしたいと思っていたところに、事業継続力強化計画の認定制度を知った。計画が認定され、認定マークを取得。防災に積極的に取り組む姿勢をアピールしていきたい。

教育の実施

安全衛生年度計画の策定

安全衛生年度計画に合わせ、年1回の定例BCP委員会と年2回以上のBCP教育や訓練を実施している。委員会では係長以上が参加し、1年間行ってきたことを振り返り、BCPを確認している。

防災訓練の様子の写真
防災訓練

擬似体験教育プログラムや、災害アプリの活用

外部の専門サービスに依頼し、災害時擬似体験プログラムを実施。現場担当者が災害時に瞬時に対応を判断できるようになる訓練を、年に1度行っている。また、平時の連絡手段に、あえて災害対策用アプリ(オクレンジャー)を活用し、事前対策の周知と訓練を普段から行うことができるようにしている。

従業員への
周知方法

BCPをA3一枚のシートにまとめたものを全従業員に配布、社内にも掲示して注意を喚起している。さらにスマホで使える災害時連絡用のアプリ「オクレンジャー」を利用して、災害時の安否確認などの連絡訓練も行っている。災害時しか利用しないと必要な時に機能しなくなる恐れがあるので、平時にも朝礼に使ったり、福利厚生のアナウンスや啓蒙活動に活用したりして、アプリの利用頻度を上げるようにしている。

苦労した点・
工夫した点

もともとBCPを策定していたため、事業継続力強化計画の策定にあたっては、大きな苦労はなかった。ただし、地域的に天災が少なく、災害に対する意識が薄くなりがちなので、日々の活動の中で、防災の優先順位を下げないようにしている。

今後の展望

事業継続力強化計画を策定して災害に備えることは、対ステークホルダー的にも、当たり前の世の中になってきているように思う。ISO9001(品質マネジメントシステム)やISO14001(環境マネジメントシステム)の国際認証も取得・維持しているが、さまざまな認証・認定に取り組むことで相乗効果を上げながら、会社の体質強化につとめていきたい。また、下請企業と一緒に連携型計画を立てることも、今後、視野に入れていきたい。

ページの先頭へ