豊田氏の依頼を受けた中小機構の中小企業アドバイザー・藤井健太郎氏は、さっそく西濃地区ロータスクラブ同友会に顔を出し、BCPに関するセミナーを開いた。そこで藤井氏が提案したのは、中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業省が認定する事業継続力強化計画だった。
「私たち零細企業は、大企業向けBCPの話は正直あまり参考になりません。一社が被災したら誰が助けてくれるの?という話になってしまいます。ですが、藤井さんは、私たちのようなネットワークがすでに構築されている事業者には、連携による事業継続力強化計画が相応しいと的確なアドバイスをしていただきました。それを聞いた私は“これなら使える!”と直感しました」(豊田氏)
当初、連携企業は岐阜県全域のロータスクラブ加盟店にすべきか悩んだそうだが、それでは規模が大きくなりすぎるため、まずは西濃地区の7社で連携する話を詰めていくことになった。
アドバイスをした藤井氏は、
「豊田社長の事業継続力強化計画に取り組む姿勢が、誰よりも強かったのが印象的でした。中小企業は、ヒト・モノ・カネ・情報の経営資源にどうしても限りがあるので、自社で完結するのは難しく、やはり企業間の連携によって経営資源を補うことが必要です。ロータスクラブのような同業者間の集まりでは、そうした連携をすることの大切さが、より色濃く出たのではないかと思っています」
とはいえ、当初、豊田氏や西濃地区ロータスクラブの経営者らは、事業継続力強化計画の存在さえまったく知らなかった。そこで藤井氏が1回約2時間、2回の勉強会を開いた。
「勉強会ではハザードマップを使って、自社の被災リスクを確認しました。ですが、昔から水害で何度も苦しんでいる地域なので、それを見てもさほど驚きませんでした。もちろん水害のリスクはありますが、まずはできることから始めてみようと思い、感染症対策に特化した計画を立てることにしました」(豊田氏)
豊田氏は西濃地区ロータスクラブ同友会において、BCPについて理解を深める勉強会を企画。
中小機構に専門家派遣を依頼した
株式会社 松車
株式会社 光モータース
SKY.J.ワールド 株式会社
フジワ・カーサービス
(富士和商事 株式会社)
株式会社 桑原モータース
共栄自動車興業 株式会社
以上の西濃地区ロータスクラブ同友会の企業と株式会社 豊田モータースの計7社が、
今回連携事業継続力強化計画の認定を受けた