地域経済の成長を支える「要」である金融機関が後押しする中小企業の事業継続
株式会社名古屋銀行
- 取締役頭取
- 藤原 一朗
- 業種
- 銀行業(地方銀行)
- 所在地
- 愛知県名古屋市中区錦3-19-17
- 従業員数
- 1,786人
- 拠点
- 国内113カ所(愛知県107、岐阜県2、静岡県2、大阪府1、東京都1)、海外1カ所
- ホームページ
- https://www.meigin.com/
1949年創業。愛知県名古屋市に本店を構え、愛知県を中心に、岐阜県、静岡県、東京都、大阪府へと営業エリアを拡大しています。融資や資金繰り支援に加え、事業承継、DX支援、各種コンサルティングを通じて、地域企業の成長と持続的な発展を支えています。
名古屋銀行では、2025年3月から、事業継続力強化の支援全体を行っており、その一環として認定制度の紹介や計画策定に向けた伴走、実践支援を実施しています。単に認定取得を支援するだけでなく、企業の事業継続力そのものを高めることを目的とした取組です。
愛知県は、自動車関連産業のサプライチェーンが集積する地域でもあり、ひとたび大規模な災害が発生すると、その影響が連鎖的に地域経済へ及ぶ可能性があります。そのため同行では、地震や水害などの自然災害に加え、サイバー攻撃なども含めたさまざまなリスクへの備えとして、事業継続力強化計画の策定もサポートしています。
企業の「きっかけづくり」としての支援
同行では、事業継続力強化計画の策定を、企業がリスクマネジメントに取り組むための「入り口」と位置づけています。多くの中小企業では、災害対策の必要性は理解しているものの、「何から始めればよいか分からない」「担当する人材がいない」といった理由から、取組が進まないケースが少なくないといいます。
こうした状況を踏まえ、同行では事業継続力強化計画の認定制度を、BCPを本格的に検討するきっかけとなる、取り組みやすい制度であると考えています。ロゴマークの活用や補助金申請時の加点、信用保証協会の別枠活用、企業PR機会の増加など、事業継続力強化計画の認定取得によるメリットを丁寧に紹介しながら、対話・整理・可視化を行うことにより、結果として認定にもつながることもあります。また、事業継続の必要性を社内で共有する契機にもなります。計画策定の過程で企業の現状を整理することにより、自社の課題やリスクを可視化できることの他、役職員向けの勉強会等も通じて社内で問題意識を共有すること、経営層だけでなく社員も含めて課題を“自分ごと化”すること、そのうえで社内でPDCAを回していくこと、結果として、社員への浸透やエンゲージメント向上にもつながる可能性があることも大きな効果です。
また、まだ取引のない新規企業も対象としており、同行では、BCP・事業継続力強化の対話は、企業の「ヒト・モノ・カネ・情報」を幅広く確認できる貴重な機会であり、行員の人材育成につながる、お客さまの潜在的な課題発見にもつながると考えているそうです。
こうした状況を踏まえ、同行では事業継続力強化計画の認定制度を、BCPを本格的に検討するきっかけとなる、取り組みやすい制度であると考えています。ロゴマークの活用や補助金申請時の加点、信用保証協会の別枠活用、企業PR機会の増加など、事業継続力強化計画の認定取得によるメリットを丁寧に紹介しながら、対話・整理・可視化を行うことにより、結果として認定にもつながることもあります。また、事業継続の必要性を社内で共有する契機にもなります。計画策定の過程で企業の現状を整理することにより、自社の課題やリスクを可視化できることの他、役職員向けの勉強会等も通じて社内で問題意識を共有すること、経営層だけでなく社員も含めて課題を“自分ごと化”すること、そのうえで社内でPDCAを回していくこと、結果として、社員への浸透やエンゲージメント向上にもつながる可能性があることも大きな効果です。
また、まだ取引のない新規企業も対象としており、同行では、BCP・事業継続力強化の対話は、企業の「ヒト・モノ・カネ・情報」を幅広く確認できる貴重な機会であり、行員の人材育成につながる、お客さまの潜在的な課題発見にもつながると考えているそうです。
同行では、今回の取組以前から、リスクマネジメントを専門とするコンサルティング会社と連携したBCP診断の実施や、レジリエンス認証の取得支援など、BCP策定支援に取り組んできました。さらに、BC支援ローンとして、防災・減災に資する設備等に必要な資金や、BCP作成に必要なコンサルティング費用を融資する金融商品も用意しています。
事業継続力強化計画の策定後は、各企業の状況に応じて、BCPの策定支援やその他の経営改善の取組へと発展させていくことを目指しています。
事業継続力強化計画の策定後は、各企業の状況に応じて、BCPの策定支援やその他の経営改善の取組へと発展させていくことを目指しています。
銀行のネットワークを活かした支援体制
コンサルティングは、同行の営業店と本部が連携して進めています。コンサルティング能力を身に着けるため、民間のコンサルタント会社からノウハウを学びました。同行では、2020年頃からSDGs支援も行っていたため、多くの行員がSDGsの支援とも連携させながら支援をしているそうです。ほかにも人的資本経営の支援にも取組んでおり、こうしたBCPと関係のあるテーマとも関連づけながら支援できるのが、強みになっているそうです。
具体的なコンサルティング方法としては、事業継続力強化に向けたヒアリング・整理・助言・伴走支援を行います。その中で必要に応じて計画の整理や認定制度の活用にもつながります。ヒアリングから現状整理・フィードバックまでには、およそ2か月程度を要し、訪問や打ち合わせは4回程度を想定しています。
また、行員向けの勉強会も実施しており、BCPや事業継続力強化計画の基本的な考え方を行員に共有しています。
「まずは営業担当者が企業に説明できるようになることが重要です。お客さまと話をするきっかけとしても、この取り組みは活用されています」(名古屋銀行 法人営業部 石原氏)
具体的なコンサルティング方法としては、事業継続力強化に向けたヒアリング・整理・助言・伴走支援を行います。その中で必要に応じて計画の整理や認定制度の活用にもつながります。ヒアリングから現状整理・フィードバックまでには、およそ2か月程度を要し、訪問や打ち合わせは4回程度を想定しています。
また、行員向けの勉強会も実施しており、BCPや事業継続力強化計画の基本的な考え方を行員に共有しています。
「まずは営業担当者が企業に説明できるようになることが重要です。お客さまと話をするきっかけとしても、この取り組みは活用されています」(名古屋銀行 法人営業部 石原氏)
グループ会社との連携による支援
同行では、グループ会社や外部パートナーとの連携も進めています。例えば、印刷会社では認定ロゴを活用した名刺や会社案内などの制作、警備会社では防災用品や備蓄品の提供といった、企業の防災対策を支援するサービスを紹介しています。また、サイバー対策など専門性の高い分野については、システム会社や専門企業とのビジネスマッチングを通じた支援を行っています。
このように、計画策定にとどまらず、企業が実際に対策を進めるための支援につなげていくことも、重要な役割であると考えています。
このように、計画策定にとどまらず、企業が実際に対策を進めるための支援につなげていくことも、重要な役割であると考えています。
件数拡大と人材育成の両立
この取組は、同行の営業活動の中でも活用されています。企業へのアンケートを通じて経営課題を把握し、設備投資や補助金、ビジネスマッチングなど、さまざまなソリューション提案につなげる仕組みを整えています。また、若手行員にとっては実際の企業訪問を経験する機会となり、人材育成の面でも効果があるとされています。
「この仕組みに沿って進めることで営業活動のきっかけになりますし、若手のOJTにも活用できています」(石原氏)
「この仕組みに沿って進めることで営業活動のきっかけになりますし、若手のOJTにも活用できています」(石原氏)
取り組みを通じて広がる企業の意識
現在、このコンサルティングは大きな広がりを見せています。これまでの契約件数は900件近くに達し、認定件数も700件を超えています。企業からは、「自社の課題が整理できた」「災害対策の必要性を改めて認識した」といった声が寄せられています。
「計画を作ること自体がゴールではありません。まずは自社の状況を見直すきっかけとして活用してほしいと考えています。」(石原氏)
「計画を作ること自体がゴールではありません。まずは自社の状況を見直すきっかけとして活用してほしいと考えています。」(石原氏)
- 本事例のポイント
- 名古屋銀行の事例の特徴は、地方銀行が主体となり、コンサルティング会社などと連携しながら、事業継続力強化を入口に認定制度の活用や現状整理を支援し、その後、設備投資・ビジネスマッチング・各種経営課題解決へつなげている点にあります。計画の認定取得は事業継続力強化の支援の一環であり、企業の経営課題を整理し、設備投資やビジネスマッチングなどの支援につなげるなど幅広い支援の仕組みを構築しています。
また、銀行の営業活動や人材育成と結びつけながら取り組みを進めている点も特徴です。事業継続力強化計画を企業の「きっかけづくり」として位置づけ、中小企業の防災対策と経営強化の両面から支援している取組といえます。