強化計画の目的を決める!~従業員・サプライチェーン・地域経済がキーワード~

備えあれば憂いなしー自社単独で策定する「単独型計画」

自然災害はいつ、どこで起きるかわかりません。ひとたび災害が発生すれば、その影響は従業員や、事務所・工場等の直接的な被害だけでなく、取引先や仕入先の被災による間接的な影響もあり得ます。備えあれば憂いなし。早速、災害時の損失を最小限に抑える取組を始めましょう。

事業継続力の強化に取り組むにあたって強い味方となるのは、税制優遇等のメリットがある「事業継続力強化計画」認定制度です。認定制度には「単独型」と「連携型」があり、各企業それぞれが単独で計画を策定するほか、グループ会社等複数で計画を策定、申請することもできます。第5話から第9話にかけては、「単独型」の計画の策定方法を解説していきます。

認定を受けられる中小企業者とは?

計画を立てるために最初にやるべきことは目的を明確にすること。自然災害が発生し、事業が続けられなくなると、従業員の雇用が難しくなるかもしれません。自社が生産を担っている部品の供給がストップし、他社の製造を停止させることになるケースも考えられます。そうなると、地域経済やサプライチェーンに影響を与えることになります。
Step 1では、「従業員やその家族」「顧客や取引先」「地域の方々」等、すべてのステークホルダーへの影響を考え、まずは、「何のためにこの取組を行うのか」を明らかにしましょう。

認定を受けられる中小企業の規模
認定を受けられる中小企業の規模

*  「製造業その他」は、上記「卸売業」から「旅館業まで」以外の業種が該当します
** 自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く

事業継続力強化計画を策定しよう!

事業継続力強化計画を策定し、申請すると聞くと、なんだかハードルが高そうに感じませんか? でも心配ご無用。5つのSTEPに沿って進めていけば大丈夫です。

STEP1 事業継続力強化の目的の検討

STEP1は「目的の検討」です。何のために事業継続力を計画するのか、明確な方向性をもって計画を策定することが大切です。目的・目標を決めないまま進めようとすると、方向性がぶれてしまい、本当に必要かつ有効な対策を策定するのが難しくなります。

「事業活動の概要」→「取り組む目的」の順に検討し、事業継続に向けてどのような状態を目指すのか、目的・目標を決めておきましょう。

では、以下に、検討ポイントや具体的な記載例を紹介しましょう。

自社の事業活動の概要

事業継続力強化計画に係る認定申請書(様式第20)を見てみましょう。基本情報の次に「2 事業継続力強化の目標」とあります。

事業活動の概要には、営んでいる事業活動を記載します。その際、注意したいのは、業種を記すだけでなく、自社が地域経済やサプライチェーンの中でどんな役割を担っているかを検討し、明らかにすること。これについての記載がないと不備とされます。

  • 早期に復旧しないと、地域住民の生活に必要な物品の販売ができなくなる。
  • 地域の経済や雇用を支えているので、事業が停止するとそれらに支障が出る。
  • サプライチェーンで重要な部品の製造を担っており、事業が停止すると、製造ラインがストップしてしまう。

事業継続力強化に取り組む目的

「強化計画の目的」とは、自社の企業理念や経営方針、行動方針を表明することと同じです。

事業内容で検討した自社の役割をもとに、 被災した場合、「顧客や取引先」「地域の人々」等にどのような影響を与えるか、会社として従業員らに対してどのような責務があるかを考えてみます。

そして、 従業員、地域経済、サプライチェーンに与える影響を軽減する観点から、できるだけ具体的に書きましょう。

考えたいこと
  • 従業員やその家族に対する責務
  • 自社の企業理念や経営方針
  • 顧客・取引先や地域経済に対する影響
  • 事業継続力強化に当たっての理念や基本的な方針
目的の具体例
  • 災害時にも従業員とその家族の人命と生活を守る
  • 自社の経営を維持し、従業員の雇用を守り、地域の活力を支える
  • 事業を止めることなく、顧客や地域社会への影響を最小限に抑える
  • サプライチェーン全体への影響を軽減させる準備をしておく

感染症対策も強化計画の対象に

新型コロナウイルス感染症は、業種・業態を問わず、多くの企業にさまざまな影響を及ぼしています。

事業継続力強化計画には、感染症対策など、喫緊の課題への対策も含めることができます。感染症対策について記載する場合も、災害時と同様にどのような影響があるかを洗い出し、必要に応じて目的を明確化していきましょう。