損保代理店がジギョケイの策定に注力した理由①
[顧客の事業継続を守る]

2021.12.28事業継続力強化計画を策定したい
損保代理店がジギョケイの策定に注力した理由①<br>[顧客の事業継続を守る]

本動画では、4回シリーズの記事をまとめてご紹介しております。
ぜひ記事と合わせてご覧いただければ幸いです。

近年、国内各地で自然災害が多発、さらに新型コロナウイルス感染症が蔓延するなど、仕事や生活における環境が大きく変わろうとしている。そうした著しい変化のなかで、顧客の安全・安心に資する価値を提供するのが、顧客に最も近い存在である損害保険代理店の使命といえる。

ここでは、損害保険代理店が、顧客のBCP対策の一環として事業継続力強化計画(ジギョケイ)の策定を支援している例を紹介する。岡山県倉敷市にある株式会社 三備保険事務所(代表取締役:小松原博幸氏)である。

中小企業・小規模事業者の遅れている防災・減災対策の実際

大手企業のBCP対策は進んでいるものの、中小企業・小規模事業者のBCP対策、あるいは簡易版BCPと呼ばれている事業継続力強化計画の策定は、残念ながら思ったほど進んでいない。中小企業庁のデータによると、2021年7月末時点で事業継続力強化計画の認定を受けた企業は約3万社。全国に中小企業・小規模事業者が約380万社(2016年6月時点)あることを踏まえると、認定を受けた企業は全体の1%、事業継続を本気で考えている企業は、まだ少ない。

近年、毎月のように国内のどこかで自然災害が発生し、そのニュースによって災害危機を目の当たりにしているため、経営者は自社の災害対策が急務であることは頭では十分理解しているはずだ。だが、上記のデータを見ると、現状は計画の策定に至っていない企業がまだまだ多いことは明白だ。

守りの経営の要として、経営者に最も近い存在の損害保険代理店

中小企業・小規模事業の経営者に対し、経営コンサルティング業務を行う業種といえば、中小企業診断士、税理士、社労士等が挙げられるが、これらの業種の大半は、顧問料を払い、それ相応のアドバイスを受けられることで、経営課題を解決していくのが目的である。当然のことながら、彼らは経営者をサポートして企業により多くの利益をもたらすことが狙いであるため、いわば攻めの経営の話が中心になる。

だが、企業は攻めと守りの両方の経営的視点が必要である。守りの経営で特に重要になるのはリスクへの対応だ。具体的には、地震や台風、河川氾濫といった自然災害や、破裂や爆発、火事などさまざまな事故による操業停止やそれに伴う人的被害、また賠償責任などに備える防災・減災対策、またそれに伴う損害保険の契約などが挙げられる。この守りの経営を経営者と共に考え、具体的なアクションを起こすことができる最も近い存在が、損害保険代理店といえるだろう。

顧客の目線になって考える防災・減災対策の働きかけ

とはいえ、損害保険代理店が顧客に対して「BCP対策をしましょう」と一方的に働きかけても、おそらく経営者の反応は鈍いだろう。なぜなら、前述したとおり、経営者は防災・減災対策の重要性を頭では理解していても、実際のリスクや現実的な対応策などの情報に接していないからだ。岡山県倉敷市で損害保険代理業を運営する株式会社 三備保険事務所の代表取締役・小松原博幸氏は、顧客に対するアクションで重要なのは、まず顧客の目線になって考えることだと語る。

「実際にハザードマップを見せながら『河川氾濫や洪水が発生したとき社屋どうなりますか?』『この駐車場ではすべての車両が浸水することが考えられます』といった具合に、それぞれの顧客のケースに当てはめてどんな危機が想定されるのか、身近でより具体的な話をするようにしています」(小松原氏)

そのようにして自社に想定される自然災害を改めて認識することで、危機管理の重要性に気付く経営者が多いという。

これからの保険代理業は付加価値をどう高めていけばいいのか?
難しい問題を抱えている中で、事業継続力強化計画の策定支援を
サービスの一環として着手した代表取締役の小松原氏

顧客の永続のために、保険代理業が事業継続力強化計画の策定を支援

小松原氏は、“お客様の永続がなければ、私たちの永続はない”の言葉を従業員とともに掲げることで、顧客の事業継続があってこそ自分たち保険代理業が成立することの大切さを日々忘れないよう肝に銘じている。昨今BCP対策が叫ばれるようになり、顧客の多くが中小企業・小規模事業者であることから「BCP対策をしているか?」と大手取引先から顧客に問い合わせが増えているという。とはいえ、BPC対策は作成に手間がかかり、毎日の業務で忙しい経営者にとって、実際のところ大きな負担になる。そこで、小松原氏は簡易版BCPである事業継続力強化計画の策定を支援するサービスを、顧客にできないかを社内で検討した。

「得意先に事業継続力強化計画の策定を提案する上で、まず自社が認定を受けておく必要があると思い、それを先に進めました」(小松原氏)

今後、損害保険代理店は、自社の災害対応の取り組みを開示するためにも、事業継続力強化計画の認定を受けておく必要があるだろう。その上で、顧客の安全・安心を考え、成長する企業を目指すことが大切だ。

損害保険代理業が事業継続力強化計画の策定を支援するためには何が必要か。
対応できる人員の数、ノウハウの取得方法など、スタッフと協議を重ねた

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