損保代理店がジギョケイの策定に注力した理由④
[損保代理店が目指すべき未来の姿]

2022.01.27事業継続力強化計画を策定したい
損保代理店がジギョケイの策定に注力した理由①<br>[顧客の事業継続を守る]

本動画では、4回シリーズの記事をまとめてご紹介しております。
ぜひ記事と合わせてご覧いただければ幸いです。

顧客の事業継続力強化計画の策定を支援している岡山県の損害保険代理店、株式会社 三備保険事務所(代表取締役:小松原博幸氏)。業務としての支援を開始して約1年半が経過し、損保代理店として新たに進むべき道が見えてきた。支援をすることで得られた効果、また今後の展開について話を聞いた。

無償で計画の策定を支援することの意義

事業継続力強化計画の認定事業者となり、顧客の計画策定の支援にいち早く取り組んでいる株式会社 三備保険事務所。

業務を進めるにあたり、防災・減災対策に関する専門的な知識が必要となることや、計画書作成の支援にはそれなりに時間や手間がかかるだけに、少人数な損保代理店が無償で行うサービスとしてはかなり負担が多くなると考えられる。だが代表取締役の小松原氏は、それをあえてやる意義があるという。

「やはりそこには大切なお客様と社会全体を守っていく、という強い想いがあります。損保代理店が保険を売るだけの仕事なら、ほかにいくらでもいるでしょう。しかし、私たちは私たちにしかできないサービスを提供することで、お客様から信頼される企業を目指しています。それが結果として、お客様の事業の永続につながればと考えています」(小松原氏)

支援を始めてから、自社のSDGsの取り組みや、強靱化や健康経営といったBCP対策に関する情報をホームページに掲載したところ、遠隔地の企業から問い合わせが入り、それが新規契約につながったという。周辺地域の企業だけでなく、インターネットを通じて離れた場所にいる顧客に対してアプローチできるようになったのは、この事業継続力強化計画の策定を支援したことによる大きな成果だという。

「事業継続力強化計画の存在を知らない企業がまだ多く、これからも計画策定の支援をきっかけに、
経営者とBPC対策について話をしていきたい」と小松原氏(写真中央)

見えてきた、計画策定の支援による効果

顧客を支援するようになり、本来の業務である保険契約にも好影響が出ているという。営業部 部長の熊本雄介氏は、

「BCP対策についてお客様と話す機会が増え、現場を直接見ることができたり、作業の工程を知ることができたりして、お客様との接点がかなり増えました。これによって、お客様の操業時のリスクが明確になるため、どんな商品を提案すればいいのか分かるようになりました。やはりお客様のことを熟知しないと、正しい提案はできません。事業継続力強化計画の策定支援はたしかに時間や手間がかかる作業ですが、顧客や私たちにとって必ず好循環になると思っています」(熊本氏)

岡山県はかつて災害が少ない地域であるといわれていた。だが、近年は豪雨による大規模な被害が出たことで、この地域の事業者は取引先からBCP対策について問い合わせが来るようになった。そうした顧客の防災意識の高まりに伴い、保険加入や契約内容の見直しなどを検討する企業が増えているという。

損保代理店がリスクを正しく把握し、確かな商品を提案することは、顧客にとって非常に価値のある話であることは間違いない。

きっかけは顧客のBCP対策を促すドアノックツールとして始めた支援業務だが、実際に計画の策定を進めていくと、その効果は当初想像していた以上のものになったという。

「SDGsという視点から、三備保険事務所は損保代理店として顧客や社会からどういう風に
必要とされているのかを考え、それにしっかり取り組んでいきたい」と熊本氏

経営者が考えておきたい、これからの保険の在り方

最後に、小松原氏は現在損害保険に加入している中小企業・小規模事業者の経営者に向けてアドバイスを述べた。

「よく『うちは保険をかけているから大丈夫』と言ってそれで安心している経営者の方がいらっしゃいますが、保険でカバーできるのはあくまで損失を補填するファイナンシャルの部分であって、災害時の対応は各企業で事前に決めておかなければ操業再開に遅れが出てしまいます。そうならないためにも、これからは損害保険の加入と、事業継続力強化計画の策定を同時に考えておくべきでしょう」(小松原氏)

今後経営者は、事業継続力強化計画の策定を踏まえて保険内容を検討しておく必要があるだろう。さらに小松原氏は、

「代理店の担当者は契約更新の際、契約内容の見積もりの話だけで済ませようとしていませんか。もしそうした保険を販売しているだけの代理店なら、そろそろ見直す時期に来ていると思います。自社のことを何も知らない担当者では、保険の契約内容が自社のリスクを踏まえているかが分からない可能性があります」(小松原氏)

保険内容を双方が確認しなかったことによるトラブルといえば、以前当サイトで紹介した企業の例がある。保険契約書の記載内容が間違っていたので、保険金が一切支払われなかったという。そちらも参考にしてほしい。

自社の保険契約の内容をしっかり確認するとともに、今後起こりそうな可能性がある自然災害を想定し、平時のうちに事業継続力強化計画の策定をすることで、防災・減災対策を検討しておきたい。さらに、現在取引している損保代理店に、事業継続力強化計画の策定を支援していないか、一度尋ねてみるのもいいだろう。

三備保険事務所の代表取締役・小松原氏(写真中央)と
若さあふれる従業員たち(写真は三備保険事務所ホームページより転載)

この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE