損保代理店がジギョケイの策定に注力した理由③
[損保代理店が求められる存在になるために]

2022.01.21事業継続力強化計画を策定したい
損保代理店がジギョケイの策定に注力した理由①<br>[顧客の事業継続を守る]

本動画では、4回シリーズの記事をまとめてご紹介しております。
ぜひ記事と合わせてご覧いただければ幸いです。

岡山県の損害保険代理店、株式会社 三備保険事務所(代表取締役:小松原博幸氏)が、顧客向け事業支援の一環として取り組んでいる事業継続力強化計画(ジギョケイ)の活用例を紹介する三回目。今回は、顧客を支援するにあたり、社内でどんな準備しておけばいいのか。その体制整備と具体的な取り組みについて取材した。

計画だけの書面では意味がない。支援側にも大きな責任

未だ多くの中小企業・小規模事業者が、事業継続力強化計画の策定に着手していない現状であることは以前ここで述べたが、実際、経営者は事業継続力強化計画をどのように捉えているのか。株式会社 三備保険事務所によると、経営者に計画の話を持ちかけた際、その反応は大きく分けて2つのパターンに分かれるという。

ひとつは、これまでBCP対策が手つかずの状態になっていたが、信頼する損保代理店からの提案なら是非話を進めたいと計画の策定に前向きになる経営者のケースだ。顧客との話し合いの中で業務上の課題や改善点などを浮き彫りにするため、ときには外部には出ない情報を開示されることもあり、計画書には具体的な防災・減災対策、また被災時における業務再開の内容をしっかり盛り込むことができるという。

そしてもうひとつは、自社に起こりうる災害は絵空事だと考えている経営者の場合だ。そのような経営者は、計画書の項目を埋めるのが目的だと捉えているため、もし災害が起きた場合、防災・減災対策がまったく機能しないということが考えられる。支援する側がしっかりとした防災意識を持って取り組まなければ、単なる計画だけの書面になってしまうだろう。では、このような経営者の場合、どうすればこの計画が顧客のためであるということを改めて認識してもらえるようになるのか。

SDGsに基づいた、事業継続強靱化の取り組みとして

三備保険事務所は、2020年9月に自社の取り組みを紹介するパンフレットを製作した。これによると、---三備保険のSDGs宣言---には下記の5つの項目が明記されている。

01. 事業継続強靱化(自然災害に対する強靱化支援/企業と雇用を守る取り組み)
02. 健康経営(健康経営の促進/仕事と病気の両立)
03. 事故削減対応(道路交通事故による死傷者数減少/労災事故による死傷者数減少)
04. SDGs推進(SDGsを通じた人材採用/SDGsを通じた企業成長)
05. 健康・長寿(健康増進/仕事と病気の両立)

三備保険事務所が掲げている同社SDGs宣言の5つの柱。
01事業継続強靱化の「自然災害に対する強靱化支援」として、事業継続力強化計画の策定を支援している

この図を見ると、5つの柱がSDGs(持続可能な開発目標)のどの項目に該当するのかが分かるようになっている。では、これにはどんな狙いがあるのか。営業部 部長の熊本雄介氏に話を聞いた。

「社長も申しておりますが、私たちは“お客様の永続がなければ、私たちの永続はない”と考えています。保険の販売だけではなく、顧客を守るという意識を持ち、顧客のために何ができるか。それが今後の損保代理店に求められる課題だと思っています。その取り組みとしてこのパンフレットを製作し、SDGsがBCPとどのように結びついているのか。SDGs 17の目標の13である『気候変動に具体的な対策を』に基づいて、BCP、並びに事業継続力強化計画の策定の必要性があることを理解していただいております。そうした取り組みを続けることで、安心安全で持続可能な社会を実現することを目指しています」(熊本氏)

事業継続力強化計画は単なる計画書だと捉えていた経営者にも、このパンフレットを見せながら説明すると、早急に取り組むべき課題であると理解してもらえるという。

「お客様と一緒になって考えながら、お客様を最後まで守るという使命を持って取り組んでいます」と熊本氏

専門チームを組み、最適な支援と的確なアドバイスを実施

三備保険事務所は、大口契約の法人顧客から事業継続力強化計画の話を持ちかけ、2021年11月現在まで14社が計画を策定。うち10社が認定事業者となった。

支援業務を担当する営業部 次長の梶房弘和氏によると、顧客向けのBCP対策の必要性や計画策定を支援する提案をあらかじめ営業グループの全従業員で共有しておき、策定に本腰を入れそうな企業には、梶房氏ら専門チームが訪問。同企業の経営者や防災担当者と1回1時間の打ち合わせを計4回行い、打ち合わせで見えてきた課題を次回までに検討、それを繰り返すことで計画書の内容を詰めていくという。

「事業内容やそこから想定されるリスクを一緒に考えていき、事業継続の必要項目を順序立てて検討していきます。そうすることで、顧客の主要業務は何か、また他にどんな業務があるのかを知ることができます。もちろん、そこから得た情報は、保険の契約内容を見直す際の提案にもつなげています」(梶房氏)

各業種に応じてどんなリスクが想定されるのか。梶房氏は社に持ち帰り、チーム内で意見交換しながら計画内容をブラッシュアップしているという。

自然災害、感染症などのリスクから守るため、企業が取り組むべき課題は多い。
梶房氏(写真左)は顧客の事業永続にとって何が大切なのかを常に考えているという

[参考]:
新型コロナウイルス感染症の対策は、業種によってその対応が異なっているため、業種別ガイドライン(下記参照)で確認しながら、それぞれの業種に合わせて検討することをおすすめする。

業種別ガイドライン
https://corona.go.jp/prevention/pdf/guideline_20200514.pdf

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