企画力と行動力を地元企業に還元
琉球ブリッジ株式会社
- 代表取締役
- 谷中田洋樹
- 業種
- 建設資材製造販売
- 所在地
- 沖縄県浦添市牧港2-43-16 1F
- 創業
- 2005年10月
台風による冠水や土砂災害の多い沖縄。災害時に必要なフレコンバッグなど、自社で企画した商品を海外工場と直取引で製造。本土を通さない流通により製造・物流・販売を一貫して行っている。県内の建設会社、廃棄物会社、セメント会社などの多くの企業へ消耗資材(袋)を販売。被災後の復旧時に必要となる商品も多く、災害時の自社の早い復旧が顧客より求められている。従業員5名で年間売上4億以上の成長著しい会社。
インタビュー(5分56秒)
重点対策 |
主な対策や変化 |
防災や減災効果・経済効果 |
安全・安否確認と避難場所の確認 |
従業員と家族も含めての安否確認と非常時の連絡網を整備した。 |
家族も含めた訓練をすることにより、従業員の家族ともコミュニケーションが良好となった。 |
自然災害の初動対応のために非常食セットの備蓄を行うようになった。 |
通常業務も連携が強くなり、本計画を立てることにより社内のモチベーションがあがった。 |
新ヤードの整備と新事業所の建設 |
機械化による作業のスピードアップを図った。 |
移動時間の短縮や作業の効率化により、従業員の労働時間を短縮でき生産性があがった。 |
テレワークや現場への直行をすることで交通渋滞を避け、物流のスピードアップを図った。 |
物流センター並みに新ヤードを拡張し、相当量の在庫を持ってサプライヤーとしての機能を強化した。 |
コロナ禍においても、物流がほぼ止まることがなく、サプライヤーとしての責任を果たすことができている。 |
安全・安否確認と避難場所の確認
人命の安全確保
コミュニケーションの強化につながる
連絡網の整備や従業員の家族も含めて対策を行ったことにより、従業員間のコミュニケーションが良好となり、結果、通常業務でも連携が強くなった。小規模事業者ゆえ、一致団結は強い味方になった。
新ヤードの整備と新事業所の建設
作業時間の短縮を図る
新事業所の設置で作業の時短を目指した
自社で販売しているホテル仕様のコンテナハウスを新事業所として設置。テレワークも利用して本社に出社せずに移動時間の短縮化を図り、大型車両も増やして仕事を効率化することにより従業員からは、これまでよりも「疲れが減った」との喜びの声も。テレワークについては、海外との取引で使っていたので慣れていた。新事業所設置はコロナ対策でもあり、現場と事業所(経理部門)とを分割した。
新ヤード拡張が、サプライヤー機能の強化につながる
海外との直取引で仕入れた商品を、物流センター並みの新ヤードに在庫としてストックしているために、いざという時、本土のサプライチェーンに頼ることなく、沖縄県内で事業が成り立つ仕組みを構築している。コロナ禍でも、物流・共有を止めなかったことが各所で評価され、新しい取引、商談の話が寄せられるようになった。
取組について
従業員への周知方法
従業員に災害時の事業継続の考え方の説明会を実施。非常時の連絡体制も整えたことで日頃から従業員とのコミュニケーションを図り、周知を日常的に行っている。そのような普段のコミュニケーションが災害時には役立つと思う。家族との日常会話の中で、防災の話題がのぼるようにもなった。
苦労した点・工夫した点
災害は会社も一大事であるが、個々の従業員にとっても一大事であるため、家族を含めての防災対策を考えた。昨今は、プライバシーを大切にする考えもあるが、従業員と家族を大切にする姿勢を伝えながら、業務的な「連絡網の整備」から一歩進み、温かみのあるやりとりや信頼しあう関係性を築くことができるよう状況を整えていった。
今後の展望
土嚢や防護服、マスクなど、災害時に役立つ商品の在庫が多数ストックされているので、いざという時には、在庫商品を積極的に配布するなど、資材の有効活用を行えるようにし、地域社会の安全と継続に貢献できるようにしていきたい。沖縄は、停電が多い場所でもあるため、ソーラーパネルなど非常用の電源を早々に導入したい。 万が一の事前対策は、絶対に行ったほうがよいと思っている。加入している一般社団法人 沖縄県産業資源循環協会にも、「事業継続力強化計画」について話し、今後、仲間を増やしていきたい。
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