コロナ禍となったこの2、3年、本当にいろんなことに悩まされてきた前村氏だが、計画を策定したことで、次にまたコロナのような状況が発生した時には落ち着いて対処できると前向きだ。また、利用者の減少で経営の危機も感じたことから、会社を継続させていくためにも新しいことへのチャレンジの意欲をのぞかせる。
「コロナ禍での経験から、会社を継続させていくためには何か新しい事業に参入し、経営面でのリスクヘッジを考えなければいけないと思いました。あくまでもフィットネスを軸に、フィットネスと親和性の高いものとしてゴルフや飲食などの事業をはじめ、アウトドアやサウナなど今流行っているものに着目しながら、いろんな可能性を探っていきたいと考えています」(前村氏)
同社の社名であるエヌ・シー・ピーはNetwork Confidence Progressの頭文字をとったもので、そこには“人とヒトとの繋がりを大切にして、お客様に「信頼される」サービスを提供するために、時代にあったニーズに向け「絶え間なく進歩」していく”という意味が込められている。そこで、前村氏に、事業を継続していく上で大事にされていることを聞いてみた。
「岡山県内には歴史のあるフィットネス企業がたくさんある中で、弊社はちょっと特殊な存在のようで、よく周りの方々から、とんがったこと・面白いことをしているね、と言っていただくことがあります。若いスタッフが多く楽しむことに積極的ですが、お客様に楽しんでいただくためにはまず自分たちが楽しむということを大事にしています」(前村氏)
実際、コロナ前から「暗闇フィットネス」というスタジオの照明を落とし、クラブハウスのような雰囲気でフィットネスを行っているが、非日常的な空間がお客様に人気だそうだ。非日常の雰囲気の中で踊る楽しさはもちろん、暗いから隣の人を気にせずに済む、自分が踊れていなくても周りに見えないから自信を無くさずに楽しめるといったメリットがあるのだと言う。
首都圏で流行ったものをいち早くキャッチして自分たちも取り入れていく、こうした姿勢も同社の“絶え間ない進歩”につながっているのだろう。