株式会社アウテック松坂は、愛知県刈谷市を拠点とし、愛知県、岐阜県、三重県のいわゆる東海三県を営業エリアとする建設会社です。
「前身は先代である父が1988年に設立した有限会社松坂商店で、創業時は屋根や外壁工事に使う建築資材の運送およびその資材の倉庫管理業を営んでおりました。その後、お客さまから『施工もやってほしい』という声が寄せられるようになり、運送、倉庫管理、屋根外壁施工という三本柱で成長、社名もアウテック松坂へと改めました。私が事業承継した2013年には、事業の主軸は施工にシフトしており、また太陽光発電機設置工事も大きな割合を占めるようになっています」(穂谷氏)
こうした事業領域から、同社は地震や風水害など、自然災害により被害を受けた家屋の復旧に深くかかわってきました。
「東日本大震災では、被災地に社員や普段からお付き合いのある職人の方々を派遣し、復旧作業や仮設住宅の建設をお手伝いしました。しかし東海地方が同じような災害に見舞われ、弊社が大きなダメージを負い事業継続が困難になると、地域の復興の足を引っ張ることにもなりかねないと考えるようになりました。それがBCPに向き合った、そもそものきっかけです」(穂谷氏)
そして穂谷氏がBCPへの具体的に取り組みをはじめる直接の後押しとなったのは、2020年からのコロナ禍でした。
「大手ゼネコンの現場で作業員のコロナ感染が明らかになり、それをきっかけに全国の現場が一斉に止まったことがあったのです。それを機に、全取引先がピリピリムードになり、弊社としても『感染者を出さないためにはどうするか』に加え、『もし感染者が出たらどうするか』も考える必要が出てきました」(穂谷氏)