豪雨災害の経験を共有し、異業種が連携して地域で支え合う地域一体の事業継続
株式会社香木堂
- 代表取締役
- 池田 久美
- 業種
- 製造業(食料品製造業)
- 所在地
- 広島県東広島市黒瀬町大多田1499-1
- 従業員数
- 10人
- 拠点
- 工場・店舗(広島県広島市)
- ホームページ
- https://www.kobokudo.jp/
2003年創業。地元・広島の食材を使用した「かりんとう」の製造・卸売を行っています。工場には店舗兼カフェを併設し、百貨店や大型商業施設、ホテル、観光施設、土産物店などへの販売のほか、インターネット販売も展開している。単独で事業継続力強化計画の認定を取得した後、黒瀬町商工会商業部会に所属する6社の異業種連携による連携事業継続力強化計画の認定を取得しました。
連携体:株式会社香木堂(代表事業者)、有限会社K・Sカンパニー、有限会社柳谷、DOG LIFE PLUS、有限会社西田屋、有限会社キャル
連携体:株式会社香木堂(代表事業者)、有限会社K・Sカンパニー、有限会社柳谷、DOG LIFE PLUS、有限会社西田屋、有限会社キャル
株式会社香木堂は、広島の食材を使用したかりんとうの製造・販売を行っており、広島土産やギフトとして地元で親しまれています。全国47都道府県・60社以上の酒蔵と連携し、酒粕を使用した「ききざけ」を商標とする酒粕かりんとうを開発するなど、利き酒気分を楽しめる商品として人気を博しています。
同社は、まず単独で事業継続力強化計画を策定し、その後、地域の事業者と連携した「連携型」へと発展させてきました。その背景にあったのが、2018年7月の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)です。工場および店舗を構える黒瀬町では、道路の寸断や浸水被害が広範囲に発生し、多くの事業者が孤立する状況となりました。この経験を契機として、地域の事業者同士が連携し、災害時に相互に助け合える体制を構築する取組が始まりました。
豪雨災害の経験が連携の必要性を生む
2018年の西日本豪雨では、黒瀬町において多くの事業者が被害を受け、香木堂の池田社長のご自宅も浸水被害に遭いました。災害発生時には、すぐに行動を起こすことができず、小麦粉が入手できなくなるなど、製造ラインにも影響が生じました。
事業が停止すれば、卸業者や全国につながる取引先にも迷惑をかける可能性があると考え、事業継続のための取組の必要性を感じたといいます。
また、災害時に最も困難を感じたのは、情報の不足でした。近隣の事業者がどのような被害を受けているのか、誰が無事なのかといった基本的な情報すら把握できなかったといいます。
事業が停止すれば、卸業者や全国につながる取引先にも迷惑をかける可能性があると考え、事業継続のための取組の必要性を感じたといいます。
また、災害時に最も困難を感じたのは、情報の不足でした。近隣の事業者がどのような被害を受けているのか、誰が無事なのかといった基本的な情報すら把握できなかったといいます。
「自分の店を立て直すことで精一杯で、お互いの安全確認も店の状況も、まったく分からなかったのが正直なところです。」(香木堂 代表取締役 池田氏)
この経験から、災害時には個社単独の対応だけでなく、地域の事業者同士が情報を共有し合う仕組みが不可欠であると強く認識しました。その後、黒瀬町商工会から事業継続力強化計画について説明を受け、まずは自社で取り組むべきと考え、単独型での認定を取得しました。
さらに、商工会のつながりを基盤として、被災経験を有する事業者同士が防災について学び、連携して取り組む動きへと発展していきました。
この経験から、災害時には個社単独の対応だけでなく、地域の事業者同士が情報を共有し合う仕組みが不可欠であると強く認識しました。その後、黒瀬町商工会から事業継続力強化計画について説明を受け、まずは自社で取り組むべきと考え、単独型での認定を取得しました。
さらに、商工会のつながりを基盤として、被災経験を有する事業者同士が防災について学び、連携して取り組む動きへと発展していきました。
商工会を軸に連携型の体制を構築する
連携型の計画は、黒瀬商工会の商業部会に所属する食料品製造業、飲食業、衣料品小売業、自動車販売・整備業およびペット関連サービスを提供している6社で策定しています。
「商業部会の集まりで声をかけ、興味を持った事業者が現在のメンバーになりました。多すぎると運営が難しいため、10社以内がよいという考えもありました。」(池田氏)
日頃から顔を合わせる関係性があったことに加え、同じ災害を経験していたことが、スムーズな合意形成につながりました。
計画策定にあたっては、中小機構中国本部のアドバイザーの支援を受けました。また、黒瀬町商工会が提供してくれた初動対応マニュアルも使っています。日頃から顔を合わせる関係性があったことに加え、同じ災害を経験していたことが、スムーズな合意形成につながりました。
初動対応と情報共有の仕組みを整える
連携型の作成プロセスとして、まず各社がそれぞれ初動対応のマニュアルを作成しました。事業内容や立地条件が異なることから、各社ごとに想定される対応を整理し、それらを持ち寄ることで全体の理解を深めていきました。小規模な事業者の集まりであったため、会合には各社の代表者が参加しました。
火災・地震・水害など複数の災害を想定し、それぞれのケースに応じたフローチャートを作成しました。この過程を通じて、各社が自社のリスクや対応を見直すとともに、情報共有の重要性を再認識する機会ともなりました。なお、自然災害に限らず、感染症やサイバー攻撃についてもリスクとして位置づけ、幅広い検討を行っています。
連携した取組の中心となっているのが、LINEグループを活用した情報共有です。災害時に迅速な状況共有が行えるよう、事前にテストを実施し、実際に活用可能な体制を整えました。さらに、各社では社内にマニュアルを掲示するなど、従業員や来店者にも分かりやすく伝える工夫を行っています。避難経路や連絡先を明示することで、従業員が対応できない状況においても、来店者が自ら行動できるよう配慮しています。
火災・地震・水害など複数の災害を想定し、それぞれのケースに応じたフローチャートを作成しました。この過程を通じて、各社が自社のリスクや対応を見直すとともに、情報共有の重要性を再認識する機会ともなりました。なお、自然災害に限らず、感染症やサイバー攻撃についてもリスクとして位置づけ、幅広い検討を行っています。
連携した取組の中心となっているのが、LINEグループを活用した情報共有です。災害時に迅速な状況共有が行えるよう、事前にテストを実施し、実際に活用可能な体制を整えました。さらに、各社では社内にマニュアルを掲示するなど、従業員や来店者にも分かりやすく伝える工夫を行っています。避難経路や連絡先を明示することで、従業員が対応できない状況においても、来店者が自ら行動できるよう配慮しています。
実際の地震で連携の効果を実感する
策定の効果は、2026年1月に鳥取県東部で発生した地震の際に発揮されました。LINEグループを活用することで、各事業者が状況を共有し、迅速な安否確認を行うことができました。また、各社で整備していたマニュアルに基づき、従業員やテナントへの声かけ、避難誘導などの対応も円滑に行われたとのことです。
この経験を通じて、事前に準備していた内容が実際の行動につながることを実感したといいます。その一方で、計画において不足していた点にも気づくことができ、今後の改善につなげる貴重な機会となりました。
現在の取り組みは、まだ発展途上であるという共通認識もあります。連携の範囲の拡大や、地域全体での情報共有の仕組みづくりなど、今後の課題も明らかになっています。今後は、商工会の商業部会の定期会などの場を活用し、勉強会の開催などを通じて、さらなる実効性の向上に努めていきたいと考えています。
この経験を通じて、事前に準備していた内容が実際の行動につながることを実感したといいます。その一方で、計画において不足していた点にも気づくことができ、今後の改善につなげる貴重な機会となりました。
現在の取り組みは、まだ発展途上であるという共通認識もあります。連携の範囲の拡大や、地域全体での情報共有の仕組みづくりなど、今後の課題も明らかになっています。今後は、商工会の商業部会の定期会などの場を活用し、勉強会の開催などを通じて、さらなる実効性の向上に努めていきたいと考えています。
最後に、今後策定に取り組む事業者へのメッセージを伺いました。
「連携することがとても大切です。個々で防災意識を持つより、皆の知恵を共有することで自分自身と地域を守ることができます。地域ごとにこういった連携事業を作っていくことで、小さなコミュニティが膨らんでいき、日本全体がうまくいくのではないかと思っています。」(池田氏)
「最初から大きなことをするより、6社から始めた方が信頼関係も築きやすく、話しやすく、フローチャートの確認もしやすいと思います。最初はミニマムで作って、そこから広げていく方が成功しやすいと実感しています。」(DOG LIFE PLUS 代表 上野氏)
- 本事例のポイント
- 香木堂の取組の特徴は、豪雨災害の経験から得た気づきをもとに、地域の製造業、商店などが連携して事業継続に取り組んでいる点です。商工会の商業部会を基盤とした関係性を活かし、無理のない規模で連携体制を構築しました。また、各社が初動対応マニュアルを作成し、それを持ち寄って調整することで、実態に即した計画を実現しています。さらに、LINEを活用した情報共有の仕組みを整備し、実際の災害時にその有効性を確認することができています。地域の中小企業が連携して対応力を高める取り組みは、他地域にとっても参考となる取組といえるでしょう。