協力会社との連携で進める、地域を守る造園業の事業継続
三浦造園株式会社
- 代表取締役
- 林 普二
- 業種
- 建設業(造園工事業・土木工事業・外構工事業・造園管理業務)
- 所在地
- 北海道苫小牧市明徳町4丁目10番8号
- 従業員数
- 20人
- 拠点
- 本社(北海道苫小牧市)
- ホームページ
- https://www.miura-z.co.jp
三浦造園株式会社は北海道苫小牧市に拠点を置き、個人住宅の庭づくりから公園・街路樹の管理、外構工事、土木工事まで幅広く手がけています。地域のニーズに応じて除雪業務等も行うなど地元に根差した事業活動を展開しています。
苫小牧市内で造園業を営む三浦造園株式会社と同じく苫小牧市内で造園業を営む有限会社大宮造園土木の2社で連携事業継続力強化計画を策定しました。
連携体:三浦造園株式会社(代表事業者)、有限会社大宮造園土木
北海道苫小牧市に本社を構える三浦造園は、個人住宅の庭づくりや外構工事に加え、公園や街路樹の管理、道路整備、排水工事など地域の景観やインフラに関わる仕事を担っています。冬季には保有する重機を活用して除雪業務も行うなど、地域の暮らしを支える役割も果たしています。
同社が事業継続力強化計画(ジギョケイ)に取り組むきっかけとなったのは、2018年に発生した胆振東部地震(平成30年北海道胆振東部地震)でした。9月6日の午前3時過ぎという早朝に発生したため、社員が出勤すべきかどうかの判断ができず、会社としての行動指針がないことに大きな不安を感じたといいます。この経験を教訓に、災害時の行動を整理しておく必要性を感じ、事業継続力強化計画の策定に取り組みました。2023年3月に単独型の認定を取得し、その後、協力会社である大宮造園土木と連携した「連携型」の取組へと発展させ、2025年10月には連携型の認定を取得して地域の復旧を支える体制づくりを進めています。
災害経験が計画策定のきっかけになる
胆振東部地震の際、三浦造園では災害時の行動基準が社内で整理されておらず、社員が出勤するべきかどうか判断に迷う状況となりました。災害時に会社としてどのように行動するのかを明確にする必要性を感じていたところ、損害保険会社から事業継続力強化計画の認定制度を紹介されたことが取組の契機となりました。
「融資や会社のイメージにも良いということで、取得した方が良いと教えてもらいました。地震の時に思うところもあったので、やることにしました」(三浦造園 専務 林氏)
保険会社のアドバイスを受けながら計画を作成し、2023年3月に単独型の事業継続力強化計画の認定を取得しました。災害時の行動をあらかじめ整理しておくことで、社員の安全確保や業務継続の判断を行いやすくすることが最大の目的でした。事業継続力強化計画策定の手引きを参照しながら策定を進めましたが、「ひな型があるため、策定自体はそれほど難しく感じなかった」と当時を振り返ります。
「融資や会社のイメージにも良いということで、取得した方が良いと教えてもらいました。地震の時に思うところもあったので、やることにしました」(三浦造園 専務 林氏)
保険会社のアドバイスを受けながら計画を作成し、2023年3月に単独型の事業継続力強化計画の認定を取得しました。災害時の行動をあらかじめ整理しておくことで、社員の安全確保や業務継続の判断を行いやすくすることが最大の目的でした。事業継続力強化計画策定の手引きを参照しながら策定を進めましたが、「ひな型があるため、策定自体はそれほど難しく感じなかった」と当時を振り返ります。
専門家の支援を受けて連携型へ発展
その後、計画の更新を検討する中で中小機構北海道本部のアドバイザーと出会い、連携型の計画策定に取り組むことになりました。単独型の取り組みに加え、協力会社と連携することでより強固な体制を整えられると考えたといいます。
連携先として声をかけたのは、日頃から仕事で協力関係にある大宮造園土木でした。経営者同士の年齢が近く、普段から助け合う関係にあったことから、自然な形で連携が実現しました。
計画策定ではアドバイザーの支援を受けながら、市のハザードマップを参考に避難場所を整理し、連絡体制のチャートを作成するなど、災害時の行動を具体的に検討しました。策定の過程では大宮造園土木の担当者も同席し、人員や機材の融通など連携の方法について話し合いながら内容を整理していきました。
災害対応と安否確認体制を整える
計画では、地震・津波・感染症を主なリスクとして想定しています。災害が発生した場合にはまず社員の安否を確認し、その後対応可能な人員を集めて、市からの災害復旧要請に対応する流れを定めました。造園業者としての役割として、道路上の倒木処理や電線に接触した樹木の処理など、地域インフラの復旧に関わる作業も重要な業務として位置付けています。安否確認については班ごとにリーダーを配置し、リーダーがメンバーの状況を確認して集約する体制を整えました。現場ごとに担当表を作成しているため、社員がどの現場で作業しているかを把握できる仕組みになっています。一方、訓練はまだできていないため、まずは災害の種類ごとに判断マニュアルを整理し、実際の対応を確認しながら内容を見直していく予定です。
実際の地震が計画の有効性を示す
連携型の計画策定中、2025年7月30日にカムチャッカ付近で発生した地震(2025年カムチャツカ地震)により苫小牧市にも津波警報が発令され、連携型の策定中により定めていた避難場所や安否確認のシミュレーションが実際に役立ったといいます。
また、2025年12月8日、青森県東方沖で最大震度6強の地震が発生し、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が初めて発表されましたが、この時も策定してよかったと実感したといいます。
「直接の災害はなかったのですが、大きな地震の余震が1週間以内に来るという情報が出た時に、朝礼で今日の作業場所はここだから避難所はここにしようという情報を共有したり、地震が起きたら連絡して安否確認してくださいというような内容をスムーズに伝えられたりするようになりました。」(林氏)
連携型については、インフラ復旧にも活かせるし、単独では知り得なかった情報を得られるという意味でも連携は大きな強みだと感じているといいます。
「胆振東部地震の時に燃料の確保がとても大変だったのですが、大宮造園土木さんが市内の燃料関係の会社さんとつながりがあったので、災害時に燃料確保できるかもしれないという情報を教えてもらえました。」(林氏)
具体的な効果として、胆振東部地震の後、事業継続力強化計画の認定を受けていることで、金融機関の支援制度を利用することもできたそうです。
具体的な効果として、胆振東部地震の後、事業継続力強化計画の認定を受けていることで、金融機関の支援制度を利用することもできたそうです。
最後に、これから計画を策定する方向けのメッセージを伺いました。
「実際に取得することで社員の安否確認がスムーズにできるようになったり、災害時に地域を守ることにもつながっており、今後、会社としての信頼もますます上がっていくのではないかと感じています。地域でしっかり営業活動を行っていくためにも、取得することでイメージも変わりますし、信頼される会社になっていくと思います。」
「連携型については、大宮造園土木さんとの日々のつながりがあったからできたことで、重機を貸し合ったり人を融通し合ったりという普段からの関係が基盤になっています。今後一社では対応できない大きなプロジェクトが来た場合にも一緒にやれるよう声をかけあっています。」(林氏)
「実際に取得することで社員の安否確認がスムーズにできるようになったり、災害時に地域を守ることにもつながっており、今後、会社としての信頼もますます上がっていくのではないかと感じています。地域でしっかり営業活動を行っていくためにも、取得することでイメージも変わりますし、信頼される会社になっていくと思います。」
「連携型については、大宮造園土木さんとの日々のつながりがあったからできたことで、重機を貸し合ったり人を融通し合ったりという普段からの関係が基盤になっています。今後一社では対応できない大きなプロジェクトが来た場合にも一緒にやれるよう声をかけあっています。」(林氏)
- 本事例のポイント
- 三浦造園の取り組みの特徴は、災害経験をきっかけに単独型の計画を策定し、その後協力会社との連携型へ発展させている点です。保険会社の紹介で制度を知り、さらに中小機構のアドバイザーの支援を受けながら計画内容を具体化しました。
日頃から関係のある企業と連携することで、人員や機材、情報を補完し合える体制を整えています。地域インフラの維持や復旧に関わる事業者が災害時の行動を整理しておくことは、地域全体の事業継続力を高めるうえでも重要です。日常的な協力関係を基盤とした連携型の取り組みは、多くの中小企業にとって参考となる事例といえるでしょう。